ドローン製造戦争:ウクライナ戦争におけるもう一つの戦場

はじめに
ドローンの戦争における使用の歴史は長い。しかし、その期間の大半は、有人機の任務を代替する形で、その繰り返し使用が想定されてきた歴史である。そして、使い捨ての自爆型ドローンやそれらと従来の軍事アセットとの組合せが新たな戦いの姿を本格的に切り開いたのは、2020年に生起した第二次ナゴルノ・カラバフ戦争以降のことであった。この戦争を契機として各国は、ドローンが将来の戦い方を変革するかもしれないという将来性に着目し、ドローンの開発・取得やドローンを組み込んだ作戦構想を本格的に練るようになった。
この認識の変化を象徴するかのように、かつて、自由民主主義と自由主義経済の台頭により政府形態の発展としての「歴史の終わり」を論じたはずのフクヤマ(Francis Fukuyama)が、意外にも2021年にはトルコのドローンが戦争の形態を変化させると予測した[1]。また同年、ブレマーとグリエコ(Maximilian Bremer and Kelly Grieco)は、ドローンや地上からの携帯式防空ミサイルシステム(MANPADS)が、地上と近い沿空領域(air littoral)の重要性を増大させ、従来の上空からの航空優勢確保の有効性を変化させると論じた[2]。
しかしこれらの予測は、遠い将来における戦争を占うものではなかった。その直後、2022年から生起したウクライナ戦争が、こうした分析の正しさを裏付けるばかりか、従来の分析を超える現実を次々に指し示したからである。特に、一人称視点(FPV)ドローンを始めとする安価で大量生産可能な小型ドローンが、精密誘導の長射程ミサイルなど冷戦後の軍事における革命(RMA)の寵児だった高価な兵器の枯渇により急速に存在感を増した。このことにより、ドローンは個々の戦闘において効果を発揮するのみならず、その長期にわたる使用により、現代における消耗戦を象徴する兵器となった。また従来の大型プラットフォームが到達しにくい敵後方への打撃により、戦術的意義のみならず、戦略的含意を有することとなった。
このようなドローンの作戦上の意義については、やや後追いの形ではあるものの、戦略研究において分析が蓄積されてきている。一方、この戦いを支える生産基盤については、必ずしも包括的な分析が行われているわけではない。しかし、ドローンの新たな横顔が長期の消耗戦の主役であるならば、当然、それらを無理のない形で生産し続ける能力に着目する必要があるはずだ。ウクライナ戦争の当事者であるロシアとウクライナは、どのようにして長期にわたるドローン生産を継続しているのか。鍵となる能力や技術は何なのか。それらは現代における輸出管理政策にどのような示唆をもたらすのか。
本論文は、これらの疑問に答えるため、ウクライナ戦争におけるドローンの製造基盤に焦点を当てる。その上で、日本に対する示唆を抽出し、政策提言につなげるための試論とする。
本稿は以下のように進める。まず、第1節では、戦略的視点から見た戦争におけるドローン使用の歴史を概観し、その意義の変遷を分析する。第2節では、これらを踏まえた上で、ウクライナ戦争における両紛争当事者のドローン製造努力や両紛争当事者を支援する各国の役割を掘り下げる。第3節では、ドローンや関連技術の輸出管理政策が、新たなドローン生産の流れに対し、どのようにアプローチしていくべきかを論じる。
1. 戦略面から見たドローンの意義
(1)軍事ドローンの起源
ドローンを最も早く本格的に軍事利用したのは、米国であった。ドローンは標的機(target drones)としての利用から始まった。米空軍はこれを発展させ、標的機「ファイアビー」を原型とした偵察ドローン、「ライトニング・バグ(Lightning Bugs)」をベトナム戦争に投入し、敵脅威圏内の偵察に活用した。その出撃回数は3,500回にも及んだとされる[3]。
しかし、このような一部の成功体験が国防関係者全体に共有されなかったこともあり、冷戦期における軍事ドローンの開発は限定的な成功にとどまった。その直接的な理由は、開発経費の高騰、技術的制約による作戦上の効果の低さ、各軍種ではなく国防高等研究計画局(DARPA)などの研究機関が開発を主導し、軍種の当事者意識が低かったことなどが挙げられる。とはいえ、エアハート(Thomas P. Ehrhard)によると、その根底にはドローンの軍事的有効性に対する軍種の無関心が大きく作用していた[4]。
こうした米軍各軍種における態度を変化させたのが、1982年のレバノン戦争におけるシリア・ベッカー高原でイスラエルが実施した「ガリラヤの平和作戦」であった。四方を敵に囲まれ、戦略的縦深性に乏しいイスラエルは、1973年の第四次中東戦争(ヨム・キプール戦争)で奇襲攻撃により緒戦で大損害を被った反省から、敵地における情報収集・監視・偵察(ISR)活動を重視するようになった。そこで、敵脅威圏内のISRに資する装備品として、米国製ファイアビーなどのドローン技術を参考に、ISR用ドローン「マスティフ」及び「スカウト」を開発した[5]。ガリラヤ平和作戦では、これらのドローンがシリアのSA-6等地対空ミサイルの探知に貢献し、戦闘機との組合せで敵防空網を突破したのである[6]。この作戦の成功は、イスラエルにおける後の対レーダー自爆ドローン(ハーピー等)の開発につながる[7]。
そして米軍では、このようなイスラエルの戦い方に刺激を受け、ドローン技術を逆輸入して、海軍が「パイオニア」の開発を主導した[8]。パイオニアは、米海兵隊によって湾岸戦争に投入され、一定の効果を発揮した。また、米陸軍はイスラエル製品をベースとした「ハンター」を開発した。その後、イスラエル人エイブラハム・カレムが開発したドローン「アンバー」の技術が、カレムの会社であるリーディング・システムズを買収したジェネラル・アトミクス(GA)に受け継がれ、米空軍MQ-1プレデターの開発に結実することとなる[9]。このプレデターによる標的攻撃の有効性により、冷戦後、米国は冷戦期の失敗を乗り越え、ドローン開発における優位性を獲得した。
このように、現代の軍事ドローン技術の起源は米国の標的ドローンにあるが、それを戦闘に近い領域でいち早く活用したのはイスラエルであり、米国はその成功を逆輸入することにより、ドローン開発を成功させた。この経緯から、ドローン、特に攻撃型ドローンの生産基盤は長らく米国とイスラエルに集中しており、そのほかの国は作戦における活用という意味において、後塵に拝していた[10]。したがって、戦略研究におけるドローンの軍事的効果は、主として米国とイスラエルの作戦から示唆を得た分析が続いた。
(2)戦略研究におけるドローンの位置付け
戦略研究におけるドローンの軍事的効果についての分析には、大別して3つのトレンドが存在する。これらのトレンドは、いずれも現実の戦場へのドローンの投入の実態を反映した時系列的なものである。
まず、第1のトレンドでは、米国やイスラエルが対テロ戦争でテロリストへの標的攻撃を多用したことを背景として、ドローン濫用による文民の巻き添え、国際法違反、手段の容易さが任務の逓増を招く「ミッション・クリープ」による戦略的効果の低下等の問題が扱われた[11]。一方、国家間の戦争におけるドローンの使用については、戦略的安定性を損なう可能性が指摘される一方、実例の不足から分析の具体性を欠くものが多かった[12]。
これに対して、第2のトレンドにおける分析では、国家間の紛争におけるドローン使用が徐々に進んだことを反映して、ドローンの本格的な軍事作戦での使用に関する具体的な課題が指摘されるようになる。例えば、ホロウィッツら(Michael Horowitz et al.)は、ドローンの滞空性が上空からの索敵や打撃に有効性をもたらす一方、防空システムや電子戦攻撃に脆弱であり、従来型の戦争の帰趨を決するものにはならないと分析した[13]。また、カルカラら(Antonio Calcara et al.)もこのような見解に同意し、ドローンの機能が従来の諸兵科協同(combined arms)の戦い方に統合された場合にのみ軍事的効果をもたらすと論じた[14]。同様に、キング(Anthony King)も、ドローンの限られた火力や戦場の霧(複雑性や状況把握の困難性)を考慮に入れると、ドローンが戦争に革命的な変化をもたらすとの言説は、相対化する必要があると考えた[15]。これらの研究が指摘するドローンの利点や弱点は、現在に妥当する特徴と言える。一方、そこで想定されるドローンの使用は、それぞれが独立した単発の任務を暗黙の前提としており、必ずしも作戦における反復継続的な使用を念頭に置いたものではなかった。
これに修正を加えたのが、第3のトレンドにおける分析である。そこでは、ウクライナ戦争におけるドローンの大量使用が、長期間続く消耗戦を支えるのに欠かせないものとなった現実が強く反映されている。その第一の特徴は、第2のトレンドまでの分析が想定していなかった戦場における消耗可能なドローンの反復的使用が、敵に対するコストを賦課する効果を有するという視点である[16]。第二の特徴は、ドローンの航続距離が延び、誘導方式が進化したことで、前線に所在する敵部隊のみならず、後方に所在する重要軍事拠点や政治経済上の重要目標をも攻撃することが可能となったことに着目するものである。これにより、ドローン攻撃が戦略的意味を帯びるとともに、敵防空網の力点を分散させる効果が生じることが注目される[17]。このように、かつて疑問符が残されていたドローンの通常戦争における効果も、反復継続的な大量使用により、新たな戦い方を象徴するものとなってきている。
(3)ウクライナ戦争におけるドローン使用の傾向
それでは、ウクライナ戦争におけるドローンの使用は、どのような進化を遂げているのか。
第一に、上記1.(2)で述べたとおり、敵への損害賦課手段としてのドローン使用が加速している。精密誘導ミサイル等の枯渇により、両紛争当事者はますますドローンの大量使用に依存するようになった。その結果、例えば、ウクライナ戦争におけるロシア側損失の7割がウクライナのドローンによってもたらされたものであるとの指摘もある[18]。
第二に、カルカラらの指摘とも整合的であるが、ウクライナにおけるドローンの使用は、火砲や航空機から発射される滑空爆弾との組合せで威力を発揮している。例えば、ロシアはFPVドローンと火砲によってウクライナ側の機動を阻止しつつ、滑空爆弾により防御拠点を面制圧することで、相手に機動と防御の間におけるジレンマを強いている[19]。一方、ウクライナも従来型兵器の不足を補うため、偵察から攻撃に至るまでのあらゆる機能においてドローンを多用している。また双方とも、航続距離の長いドローンを投入し、敵の防空網の飽和や、石油施設などに対する縦深打撃に成功しており、ドローン攻撃が戦略的性格を帯びてきている[20]。特にロシアは、ゲラン2と称するイラン製シャヘド136の国内生産版を大量使用しており、その航続距離は最大で1,000-2,000kmに及ぶとされている[21]。ロシアのドローン攻撃は2024年9月以降急増し、特に2025年に入ってから、多い場合は週に1,000機ものドローンを戦場に投入したことがあるという[22]。
第三に、このようなロシアの圧倒的なドローン攻撃に対抗するため、ウクライナはドローンを迎撃し、無力化する手段を多様化させている。かつて、対ドローン作戦においては、敵ドローンの誘導に必要な通信の電波妨害が有効であった。しかしながら、最近のロシア製ゲラン2のようなドローンは、電波妨害を受けても電子光学センサーとAIを用いた画像処理・照合によって目標に向かうことができるようになっているという[23]。加えて、ゲラン2は低速・低空で侵入してくるため、地上レーダーで全てを捕捉することは難しい。これに対応するため、ウクライナは、レーダーではなくエンジン音を聞き分ける音響探知装置「スカイ・フォートレス」の使用により、敵ドローンを識別する工夫を行っている[24]。これに加え、市民によるドローン目撃・通報アプリや、AIの自律操作により運用が支援される対空機関砲も活用したハイロー・ミックスによりドローンを迎撃している[25]。
一方で、第四に、低性能だが終末誘導や航法が改善されたドローンの大量使用と、死傷者の増大に一定の相関性が見られる。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が2025年7月に発表した報告書によると、2024年7月以降、ウクライナで短距離ドローンによる文民の死傷者数が急増しているが、これはロシアが2025年半ばからドローン攻撃を強化したことと相関している[26]。ただし、これはドローンの性能が向上したことのみが影響しているのではなく、ロシア軍兵士の質の低下も作用していると考えられる。英国防省の分析によれば、ウクライナ戦争勃発以降、ロシア軍兵士の平均死傷者数が年を追うごとに増えており、兵士の練度の段階的な低下を示唆しているからである[27]。また、ウクライナによるドローン攻撃も、インフラ等のロシア民間施設を標的としたものが増えている[28]。
2. ウクライナ戦争におけるドローン生産拡大努力
こうしたドローンの大量使用を支えるには、大規模で効率的な生産基盤が必要となる。かかる基盤を構築するため、両紛争当事者は生産拡大の取組に注力してきた。
(1)ロシアの取組
ロシアは、2025年3~5月の間、1か月当たり平均して約3,000機以上のドローンを使用してきた。しかし、標的への命中率は12.5%にとどまっている[29]。一方、ゲラン2の単価は約2万ドルに過ぎないため、命中率が低かったとしても、ウクライナ側に賦課できるコストは大きい。ロシアは、ドローン生産を月産5,000機から数万機にまで増やすことを目指し、それを実行に移しつつある[30]。ウクライナでは、今後、1日当たり1,000機のドローンが飛来することになるとの観測もある[31]。
このようなドローン使用の加速に対応するためには、増産体制が不可欠となる。この点、ロシアはゲラン2やその改良型ゲラン3の製造拠点を、タタルスタン共和国アラブガ地区及びウドムルト共和国イジェフスクに設けており、アフリカやアジアからの労働者を活用しているとの指摘がある[32]。ゲラン2は元々イランのシャヘド136のライセンス生産版であったが、電子戦脅威に強い衛星誘導方式の採用や光学・赤外線カメラ(センサー)の搭載、またセンサーが得た画像をリアルタイムで処理するAIエッジコンピュータの付加により、その能力が大きく強化されたとされる[33]。このNVIDIA製Jetson Orinという商用AIエッジコンピュータは、ウクライナで回収されたゲラン2の機体に搭載されているのが確認されており、画像が認識した目標のリアルタイム処理に用いられていると考えられる[34]。
ロシア製ドローンはイランの設計に基づいているが、一方でその部品、特にエンジン、航法装置、炭素複合材、電子機器、バッテリー等は中国に大きく依存しているとされる。特に、エンジンと電子機器はイランによる供給が困難で、中国がその役割を担っていると指摘されている[35]。ゲラン2及び3の製造拠点であるアラブガ地区には、「鄧小平物流コンプレックス」と通称される中国との共同物流施設が存在しており、中国からのドローン部品供給が大規模に行われていることが窺える[36]。
事実、ウクライナ政府は、ロシアが輸入するドローン部品の約8割が中国製であると指摘している[37]。上記のNVIDIA製AIエッジコンピュータも、米国ではなく中国で製造されているものである可能性が高い[38]。また、ドローンに関する外国製部品仲介貿易の6割が、中国を経由したものであるとされる[39]。ロシアは、ダミーとなる仲介業者を介して日本を含む西側諸国の電子部品等を獲得しており、特に、中国深圳―ベラルーシ間が仲介ルートとして機能している[40]。
このことを裏付けるように、ウクライナ政府の公表したデータベースによると、2025年8月までの時点において、計196件の日本製の表示のある部品が、ロシアが使用した兵器(ドローン以外を含む。)から確認されている。これは同データベースに掲載された部品の生産国表示においては、最多である米国製部品に次ぐ件数となっている[41]。特に、部品の種類としては電子部品やセンサーなどが多い。
このように、西側諸国から経済制裁を科せられている中で、ロシアは、戦場から得られるフィードバックと比較的低性能な部品を効果的に組み合わせたドローンを大量生産可能な基盤を確立している。その物量を支えているのが中国であり、その役割には、中核的な部品における不可欠な供給者としての側面と、西側諸国の製品の仲介者としての側面の双方が存在している。
(2)ウクライナの取組
では、中国の支援を受けたロシアのドローン製造に対し、ウクライナはどのように対抗しているのか。
この点、ウクライナもロシアと同様に、ドローンの部品を中国に依存してきた。しかしながら、2024年9月、中国はウクライナに対する一定重量以上のドローン及びその部品の輸出規制を開始した。これにより中国から直接部品を輸入できなくなったウクライナは、中国製部品を第三国経由で輸入したり、第三国製部品を調達するようになった。その結果、部品価格が一時的に高騰することとなり、ウクライナにおけるドローン生産の拡大に制約が生じた[42]。
この問題に対応するため、ウクライナは部品の内製化に着手し、ドローン専用部品の生産により単価低減と性能向上を実現しつつある[43]。もう一つの有効な対応策は、西側諸国とのドローンに係る生産協力である。ウクライナ防衛生産基盤は、戦争勃発後急速に拡大し、売上規模ベースで、開戦以来35倍の規模となった[44]。それにもかかわらず、政府予算の不足により、その生産余力は十分活用されていない状況にあった。この資金ギャップを埋めるため、欧州各国は自国の資金や対露制裁で得た凍結資産の利子を原資としてウクライナに資金を提供し、ウクライナ国内でドローン等を生産する「デンマーク・モデル」を推進している[45]。
これらに加え、さらにウクライナ政府は2025年6月、これまで規制してきた自国製品の輸出について、輸出による収入や関税収入をウクライナ軍向け調達の資金源とするため、個別案件ごとに許可する方針(Build with Ukraine)を表明した[46]。それ以前、ウクライナ政府は、ロシアなど敵対陣営への自国技術の流出や、前線を支える物量が低下する可能性を考慮し、輸出には慎重な姿勢を維持してきた。
しかし、戦場からのフィードバックを常時継続的に得て能力が向上しているウクライナ製ドローンへの欧州各国の関心が高まると、ウクライナ企業と欧州企業の間のドローン共同生産は、新たな互恵的利益を創出することとなった。それは、ウクライナ側においては継戦能力を支える資金源を獲得することにつながり、また欧州側においては、停滞している防衛イノベーションを活性化させることに貢献する。さらに、ウクライナの防衛技術と欧州の伝統的な産業界が組み合わさり、新たな相乗効果が生まれることも期待されている[47]。
かかる利益の一致を見たことで、欧州各国は、ウクライナとのドローン共同生産に向けた取組を積極的に開始した。例えば、英国、デンマーク、ノルウェー、ドイツ、リトアニア等はウクライナ政府と共同生産プロジェクトを交渉し、2025年7月及び8月、デンマーク及びリトアニアがそれぞれ合意に達した[48]。また、同年7月、ウクライナのスカイトン社と英国プリベイル社が、ドローンの共同生産を発表した[49]。さらに、フランスは防衛関連企業に加え、自動車企業をドローン生産に関与させることを検討している[50]。
このように、欧州各国は、ウクライナの継戦能力を支えるという軍事援助のためだけではなく、ウクライナが得た戦場のノウハウとイノベーションを自らの能力に取り込むためにも、ドローンの共同生産に取り組んでいるのである。ドローンを組み込んだ新しい戦い方は、技術移転と製造基盤の統合を通じ、国際的な拡散を始めている。一方、その実態を確認することは難しいが、おそらく同様の現象は、ロシアと中国の間の関係でも生起している可能性がある。中国が部品供給を通じてロシアを支援する一方で、ロシアは戦場で得られたノウハウや技術を中国と共有し、中国の軍事能力の向上に寄与しているという互恵的な関係性である。そこで用いられているのは、米国が冷戦後注力してきたような最先端の防衛技術ではなく、それらには及ばない、低性能で効率的な技術である。そして、その中で鍵となっているのは、NVIDIAの商用エッジAIを始め、既にコモディティ化した民生部品と技術なのである。
3. 分析と政策提言―結びに変えて―
以上のような観察を踏まえ、今後の傾向に関する分析とそれに対応した政策提言は、以下の4点に集約できるだろう。
第一に、ウクライナ戦争における両紛争当事者によるドローン活用の態様を踏まえると、敵対環境での使用の必要性が、今後、ドローンの自律化を一層促していく可能性が高いと言える。具体的には、電子戦攻撃下における運用を可能とする光学・赤外線誘導と、それらによって得られた情報をAIによって処理し、目標選定を行うような運用である。
そこでは、必ずしも最先端の軍専用技術は必要なく、民生品に用いられている部品や技術を転用することで、安価で効率的な製造が可能となっている。このような民生部品の組合せによるドローン製造は、今後、紛争当事者の戦時経済において、ますます有効となっていく可能性が高い。
第二に、そのようなドローン製造で鍵となるのは、中国の部品供給力である。しかし、中国を脅威とみなす各国にとって、将来中国に対して向けなければならないかもしれないドローンの部品提供を同国に依存するのは、自殺行為である。特に、いまだドローン部品の多くを中国に依存する台湾にとっては、喫緊に対応しなければならない問題であろう[51]。
良いニュースは、戦時下にあるウクライナが、欧州各国と協力しながらドローン部品の内製化を進め、価格低減に成功していることである。ドローン部品はその安価さゆえに中国依存が高まっているのであり、本質的に中国でなければ製造できない類のものではない。平時においては経済性・効率性が優先されるため内製化が進まないが、有事でその利用可能性がなくなれば、代替手段を構築するしかない。
そうであれば、そうなることが自明である軍事用途のドローンについては、部品も含め、平時から可能な限り内製化できる基盤を整えておくことが望ましい。この点、日本では、経済安全保障の観点から、生成AIに用いられる最先端の半導体技術開発に政府による資金提供がなされている。経済産業省を含む経済官庁による民生技術への投資における関心は、このように最先端のものに向かう傾向が強い。
しかし、軍事においてニーズがあるのは、米国による中国に対する輸出規制の対象にもなっていないような、汎用性の高いAIに用いられる半導体である。そのような半導体のサプライチェーンを強靭化することは、有事におけるドローン生産の持続可能性を向上させることに資する。高市政権は、ドローン(無人航空機)を経済安全保障推進法上の特定重要物資に指定したが[52]、かかる観点を踏まえれば、機体やモーター等の部品にとどまらず、軍事用途を念頭に置いた低性能のエッジAIコンピュータも、その安定供給の対象に含めるべきである。
第三に、中国のロシアに対する体系的な協力姿勢を踏まえれば、ドローン部品のロシアへの流入を回避することはもはや不可能である。対露制裁に加わっていない中国が直接ロシアに提供することを止められないことは言うまでもない。加えて、中国が経由する西側諸国の部品の流入も、その高い汎用性に鑑みれば、政府や企業による輸出管理の厳格化によって対応できる性質のものではない。
このような軍事用途と民生用途の広い重なりは、安全保障貿易管理が想定してきた、一定のチョークポイントを有する最先端の汎用技術の流出防止を通じて軍事技術の拡散を防ぐという前提が通用しない。一般消費者に用いられているスマートホンやPC、それと組み合わせて用いるAIモジュールなどの製品やその部品の流通に、チョークポイントは存在しないからである。その経済性ゆえに中国にチョークポイントが存在するかに見えた部品も、ウクライナの内製化努力によって有事には回避が可能となっている。
こうしたことを踏まえれば、ロシアに用いられる可能性のある部品や技術の流出を追跡する費用対効果は非常に低いものであり、政府がそのような取組に注力する必要は基本的にない。むしろ、ウクライナ戦争の文脈では、ロシアに供給される部品の量を上回る物量や資金力をウクライナに提供するという全体戦略が不可欠である。
この点、ロシア製ドローンに日本製部品が多数組み込まれていることからも明らかなとおり、日本製部品に対する需要は高いはずである。そうであれば、政府や日本企業においては、ドローンに転用される可能性のある部品の輸出に取引先を問わず慎重になるのは必ずしも賢明ではなく、特にウクライナなど友好国が関与する取引には、積極的に応じるべきであろう。民生部品の広範な使用は、消極的な輸出管理から、積極的な輸出促進への政策を転換する必要性をもたらしていると言える。もっとも、対ロシアに限らず、最先端のエッジAI技術の厳格管理は行っていく必要があり、輸出管理政策のメリハリが必要となる。
第四に、日本もウクライナの間で、軍事ドローンの共同生産を推進すべきである。政府は2026年度防衛予算において、多層的沿岸防衛体制(SHIELD)構想と銘打って、小型ドローンの大量調達のための経費1,001億円(無人アセット能力全体では2,773億円)を計上した[53]。しかしながら、日本国内では、特に攻撃型ドローンを中心として、軍事利用が可能なドローンを生産する基盤が確立していない。このため、引き続き国産のための研究開発を継続しつつも、ウクライナが戦場で得たイノベーションのためのノウハウを積極的に吸収することが有益である。欧州各国はイノベーションを自国産業に取り込むために、ウクライナとのドローン生産協力を進めている。日本がそこに参加することで、ウクライナへの資金提供とイノベーションの移植という二兎を同時に追うことができる。ウクライナ戦争におけるドローン製造戦争は、日本にも新たな課題と機会を提供しており、これらに迅速に対応することが、日本の利益につながるだろう。
(出典:ウクライナ国防省の「War-Sanctions」ページ)
脚注
- [1] Francis Fukuyama, “Droning On in the Middle East,” Persuasion, April 2021, https://www.persuasion.community/p/droning-on.
- [2] Maximilian K. Bremer and Kelly A. Grieco, “The Air Littoral: Another Look,” The US Army War College Quarterly: Parameters 51, no. 4 (2021): 67–80.
- [3] Thomas P. Ehrhard, “Unmanned Aerial Vehicles in the United States Armed Services: A Comparative Study of Weapon System Innovation” (Ph.D. dissertation, Johns Hopkins University, 2000), 406–15.
- [4] Ehrhard, “Unmanned Aerial Vehicles in the United States Armed Services.”
- [5] セス・J・フランツマン著、安藤貴子、杉田真訳『無人機の世紀:軍用ドローンの黎明期から現在、AIと未来戦略まで』原書房、2022年、22-27頁。
- [6] Ehrhard, “Unmanned Aerial Vehicles in the United States Armed Service,” chap. 5.
- [7] Richard A. Bitzinger, “Military-technological innovation in small states: The cases of Israel and Singapore,” Journal of Strategic Studies 44, no. 6 (2021): 873-90.
- [8] Ehrhard, “Unmanned Aerial Vehicles in the United States Armed Services: A Comparative Study of Weapon System Innovation,” 343–81.
- [9] Ibid., 169–74, 535–47.
- [10] 近年、これを塗り替えつつあるのが、中国によるドローン生産基盤であろう。
- [11] John Kaag and Sarah E. Kreps, Drone Warfare, War and Conflict in the Modern World (Polity, 2014), 24–34, 46–51; Michael J. Boyle, “The Costs and Consequences of Drone Warfare,” International Affairs 89, no. 1 (2013): 1–29; Michael J. Boyle, The Drone Age: How Drone Technology Will Change War and Peace (Oxford University Press, 2020), 10–23, 55–95; Michael Mayer, “The New Killer Drones: Understanding the Strategic Implications of Next-Generation Unmanned Combat Aerial Vehicles,” International Affairs 91, no. 4 (2015): 765–80.
- [12] Boyle, The Drone Age, 25–26, 234–71; Sarah Kreps and Micah Zenko, “The Next Drone Wars,” Foreign Affairs, April 2014; Jürgen Altmann and Frank Sauer, “Autonomous Weapon Systems and Strategic Stability,” Survival 59, no. 5 (2017): 117–42.
- [13] Michael C. Horowitz et al., “Separating Fact from Fiction in the Debate over Drone Proliferation,” International Security 41, no. 2 (2016): 7–42.
- [14] Antonio Calcara et al., “Why Drones Have Not Revolutionized War: The Enduring Hider-Finder Competition in Air Warfare,” International Security 46, no. 4 (2022): 130–71.
- [15] Anthony King, “Robot Wars: Autonomous Drone Swarms and the Battlefield of the Future,” Journal of Strategic Studies 47, no. 2 (2024): 185–213.
- [16] Amy Zegart, “Cheap Fights, Credible Threats: The Future of Armed Drones and Coercion,” Journal of Strategic Studies 43, no. 1 (2020): 6–46.
- [17] Marcel Plichta and Ash Rossiter, “A One-Way Attack Drone Revolution? Affordable Mass Precision in Modern Conflict,” Journal of Strategic Studies 47, nos. 6–7 (2024): 1001–31.
- [18] Mark Boris Andrijanič, “A Western-funded drone surge could end Russia’s invasion of Ukraine,” Atlantic Council, July 2025, https://www.atlanticcouncil.org/blogs/ukrainealert/a-western-funded-drone-surge-could-end-russias-invasion-of-ukraine/.
- [19] Jack Watling and Nick Reynolds, “Tactical Developments During the Third Year of the Russo–Ukrainian War,” RUSI, 2025, https://www.rusi.org/explore-our-research/publications/special-resources/tactical-developments-during-third-year-russo-ukrainian-war.
- [20] Ibid.
- [21] Dominika Kunertova, “The war in Ukraine shows the game-changing effect of drones depends on the game,” Bulletin of the Atomic Scientists 79, no. 2 (2023): 95-102.
- [22] Benjamin Jensen and Yasir Atalan, “Drone Saturation: Russia’s Shahed Campaign,” CSIS, May 2025, https://www.csis.org/analysis/drone-saturation-russias-shahed-campaign.
- [23] “Drone Warfare’s Terrifying AI-Enabled Next Step Is Imminent,” The War Zone, February 2024, https://www.twz.com/news-features/drone-warfares-terrifying-ai-enabled-next-step-is-imminent.
- [24] “Ukraine’s Acoustic Drone Detection Network Eyed By U.S. as Low-Cost Air Defense Option,” The War Zone, July 2024, https://www.twz.com/air/ukraines-acoustic-drone-detection-network-eyed-by-u-s-as-low-cost-air-defense-option; “Ukraine Scrambling To Fight Against Growing Russian Shahed-136 Threat,” The War Zone, July 2025, https://www.twz.com/news-features/ukraine-racing-to-fight-against-growing-russian-shahed-136-threat.
- [25] “Ukraine is using an AI-powered, automated turret to shoot down Russia’s devastating Shahed drones,” Business Insider, June 2025, https://www.businessinsider.com/ukraine-ai-powered-turret-shoot-russia-shahed-drones-sky-sentinel-2025-6.
- [26] UN Human Rights Office of the High Commissioner, “Deadly Drones: Civilians at Risk from Short-Range Drones in Frontline Areas of Ukraine,” June 2025, https://ukraine.ohchr.org/en/Deadly-drones-Civilians-at-risk-from-short-range-drones-in-frontline-areas-of-Ukraine-24-February-2022-30-April-2025.
- [27] UK Ministry of Defence (@DefenceHQ), X, May 3, 2025, https://x.com/DefenceHQ/status/1918563185390502173/photo/2.
- [28] 「ウクライナ、ロシアのエネルギー施設への攻撃を強化 日常生活にも揺さぶり」『CNN』2025年8月24日、https://www.cnn.co.jp/world/35237074.html。
- [29] Igor Anokhin and Spencer August Faragasso, “May 2025 Updated Analysis of Russian Shahed 136 Deployment Against Ukraine,” Institute for Science and International Security, May 2025, https://isis-online.org/isis-reports/may-2025-updated-analysis-of-russian-shahed-136-deployment-against-ukraine.
- [30] “Russia Arms Shahed-136 Aka Geran-2 Kamikaze Drones With Electro-Optical Sensors? 1st UAV Footage Goes Viral,” The Eurasian Times, October 2024, https://www.eurasiantimes.com/russia-arms-shahed-136-aka-geran-2/; Maksym Beznosiuk, “Putin is winning the drone war as Russia overwhelms Ukraine’s defenses,” Atlantic Council, July 2025, https://www.atlanticcouncil.org/blogs/ukrainealert/putin-is-winning-the-drone-war-as-russia-overwhelms-ukraines-defenses/.
- [31] “’1,000 units per day’ — Ukrainian commander warns of increased Russian Shahed drone attacks,” The Kyiv Independent, July 2025, https://kyivindependent.com/there-will-be-1-000-units-per-day-ukrainian-commander-warns-of-increased-russian-shahed-drone-attacks-06-2025/; “Shaheds, Dollars, and Beijing: How China Powers Russia’s Drone Production in Alabuga,” Frontelligence Insight, August 2025, https://frontelligence.substack.com/p/shaheds-dollars-and-beijing-how-china.
- [32] Beznosiuk, “Putin is winning the drone war.”
- [33] “Russia Arms Shahed-136 Aka Geran-2 Kamikaze Drones With Electro-Optical Sensors?”; Defence Intelligence of Ukraine, “War and Sanctions Reveals Components of Upgraded Iranian Shahed-136 Drone with Camera and AI,” June 2025, https://gur.gov.ua/en/content/warsanctions-rozkryvaie-nachynku-modernizovanoho-shahed136-vyrobnytstva-iranu-z-kameroiu-ta-shtuchnym-intelektom; “Nvidia Jetson Orin-Powered AI Kamikaze Drones: Beating GPS Jamming on the Battlefield,” Medium, July 2025, https://alican-kiraz1.medium.com/en-nvidia-jetson-orin-powered-ai-kamikaze-drones-beating-gps-jamming-on-the-battlefield-b04675706a3e.
- [34] Ibid.
- [35] “Why Russia’s Shahed Drone Program Cannot Survive Without China,” United 24 Media, August 2025, https://united24media.com/latest-news/why-russias-shahed-drone-program-cannot-survive-without-china-10978; “Shaheds, Dollars, and Beijing: How China Powers Russia’s Drone Production in Alabuga.”
- [36] Matthew Bint and Fabian Hinz, “Russia doubles down on the Shahed,” IISS, April 2025, https://www.iiss.org/online-analysis/military-balance/2025/04/russia-doubles-down-on-the-shahed/.
- [37] “China aids Russian drone production with smuggled Western parts, says Estonia,” Reuters, February 2025, https://www.asahi.com/ajw/articles/15623797.
- [38] NVIDIA, ”Jetson Orin Nano Super Developer Kit Country of Origin,” February 2025, https://forums.developer.nvidia.com/t/jetson-orin-nano-super-developer-kit-country-of-origin/322380.
- [39] “China aids Russian drone production with smuggled Western parts.”
- [40] 「日本製の機器、中国経由でロシア軍関連企業に 経済制裁をすり抜けか 米調査団体が指摘」『産経新聞』2024年6月19日;Ibid; 「追跡 広がるロシアの軍事 “闇ルート”」『NHK WEB NEWS』2025年3月3日、https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10014735771000; “Japan says Russian military obtained banned machine tools via Chinese firms,” The Kyiv Independent, August 2025, https://kyivindependent.com/japan-finds-russian-military-got-banned-machine-tools-through-chinese-companies/.
- [41] The government of Ukraine, War Sanctions, https://war-sanctions.gur.gov.ua/enに掲載されたリストを参照した筆者による単純計算に基づく。なお、部品点数が多いことが、それぞれの部品が完成品としてのドローンの運用にとって不可欠であるか否かの重要性を示すものでは必ずしもない。
- [42] Aosheng Pusztaszeri, “Why China’s UAV Supply Chain Restrictions Weaken Ukraine’s Negotiating Power,” CSIS, December 2024, https://www.csis.org/analysis/why-chinas-uav-supply-chain-restrictions-weaken-ukraines-negotiating-power.
- [43] “Ukraine Is Making FPV Drones Without Chinese Parts And At Lower Cost,” Forbes, April 2025, https://www.forbes.com/sites/davidhambling/2025/04/08/ukraine-is-making-fpv-drones-without-chinese-parts-and-at-lower-cost/.
- [44] “Production Capacity of Ukrainian Defense Industry Increased by 75%,” Miritarnyi, September 2025, https://militarnyi.com/en/news/production-capacity-of-ukrainian-defense-industry-increased-by-75/.
- [45] Pusztaszeri, “Why China’s UAV Supply Chain Restrictions Weaken Ukraine’s Negotiating Power”; Andrijanič, “A Western-funded drone surge could end Russia’s invasion of Ukraine.”
- [46] “Ukraine May Lift Drone Export Ban to Boost Production,” United 24 Media, October 2024, https://united24media.com/latest-news/ukraine-may-lift-drone-export-ban-to-boost-production-2887; “Ukraine Moves to Lift Weapons Export Ban as Domestic Arms Industry Booms, Forbes Reports,” United 24 Media, May 2025, https://united24media.com/latest-news/ukraine-moves-to-lift-weapons-export-ban-as-domestic-arms-industry-booms-forbes-reports-8153; “Ganna Gvozdiar: Government plans to ease access to foreign capital for Ukrainian defence tech and simplify defence exports,” Defender Media, May 2025, https://thedefender.media/en/2025/05/weapon-export-panel-discussion/; “Zelenskyy: Ukraine to begin export of military technology,” Ukrainska Pravda, June 2025, https://www.pravda.com.ua/eng/news/2025/06/21/7518132/.
- [47] Andrijanič, “A Western-funded drone surge could end Russia’s invasion of Ukraine.”
- [48] “Build With Ukraine: Denmark to Begin Manufacturing Ukrainian Defense Systems,” United 24 Media, June 2025, https://united24media.com/latest-news/build-with-ukraine-denmark-to-begin-manufacturing-ukrainian-defense-systems-9388; “Ukraine and Lithuania to co-produce long-range drones,” The New Voice of Ukraine, August 2025, https://www.pravda.com.ua/eng/news/2025/08/25/7527689/.
- [49] “Raybird drones to be built in UK in new joint venture with Ukraine,” The Kyiv Independent, July 2025, https://kyivindependent.com/new-uk-ukraine-joint-venture-to-manufacture-supply-ukrainian-designed-drone-in-britain-06-2025/.
- [50] “’Win-win partnership’: French companies to manufacture drones in Ukraine,” Euro News, August 2025, https://www.euronews.com/my-europe/2025/06/08/win-win-partnership-french-companies-to-manufacture-drones-in-ukraine.
- [51] Hong-Lun Tiunn et al., “Drones for Democracy: U.S.-Taiwan Cooperation in Building a Resilient and China-Free UAV Supply Chain,” The Research Institute for Democracy, Society, and Emerging Technology (DSET), June 2025.
- [52] 内閣府「サプライチェーン強靱化の取組(重要物資の安定的な供給の確保に関する制度)」2025年12月24日更新、https://www.cao.go.jp/keizai_anzen_hosho/suishinhou/supply_chain/supply_chain.html。
- [53] 防衛省「防衛力抜本的強化の進捗と予算―令和8年度予算案の概要―」2025年12月26日、https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/fy2026/yosan_20251226.pdf。


Senior Research Fellow
Hirohito Ogi is a senior research fellow at the Institute of Geoeconomics (IOG) studying military strategy and Japan’s defense policy. Before joining the IOG, Mr. Ogi had been a career government official at the Ministry of Defense (MOD) and Ministry of Foreign Affairs (MOFA) for 16 years. From 2021 to 2022, he served as the Principal Deputy Director for the Strategic Intelligence Analysis Office, the Defense Intelligence Division at the MOD, where he led the MOD’s defense intelligence. From 2019 to 2021, he served as a Deputy Director of the Defense Planning and Programming Division at the MOD. He holds a Master’s degree in international affairs from the School of International and Public Affairs (SIPA), Columbia University, and a Bachelor’s degree in arts and sciences from the University of Tokyo. He is the author of various publications including Comparative Study of Defense Industries: Autonomy, Priority, and Sustainability (co-authored, Institute of Geoeconomics, 2023).
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