トランプ政権トラッカー：大統領令の概要と解説 No.19（2025年5月28日-6月3日）

布告・覚書・公式発表一覧

米国へのアルミニウム及び鉄鋼輸入に関して調整を行う布告（6月3日）

この布告は、米国に輸入される鉄鋼･アルミに対する関税を2025年6月4日より「25%」から「50%」へ引き上げるものである。米国産業の持続性や必要な生産性の向上のため、現状では国家安全保障上の脅威を低減しきれないことを理由としている。加えて関税賦課のため、派生製品における鉄鋼・アルミ含有量の厳格な申告･審査も規定された。またこの際、5月の米英合意に基づき、例外として英国については税率を25%据え置きとする優遇措置が適用されることとした。（布告はこちら、ファクトシートはこちら）

「One Big Beautiful Billがもたらす50の勝利」（6月3日）

ホワイトハウスは、上院審議中のOne Big Beautiful Billについて改めてそのメリットを50挙げ、可決の必要性を強調した。焦点は「大規模な減税」、国境管理の強化、エネルギー安全保障と規制緩和、国内産業の活性化、国防態勢の強化、その他幅広いものになっている。（詳細はこちら）

「トランプ政権、許認可技術に関する行動計画を発表」（5月30日）

ホワイトハウスは、インフラプロジェクトに関する連邦政府の環境審査および許認可手続きを近代化するため、環境諮問委員会（CEQ）が、「許認可技術に関する行動計画」を策定したと発表した。これは4/15日付で発表された「許認可技術を21世紀に適した形へアップデートさせるための覚書」に基づく取り組みであり、4/30の許認可イノベーションセンターの設立に続く動きである。（詳細はこちら）

「メイド・イン・アメリカ：トランプ大統領のビジョンがアメリカの産業を復活させる」（5月30日）

トランプ大統領はペンシルベニア州を訪問し、自身の仲介で実現したUSスチールと日本製鉄による140億ドル規模・7万人超の雇用創出提携をアピールした。ホワイトハウスは、トヨタやホンダなど自動車産業に加え、半導体、AI、製薬、エネルギー、物流など幅広い分野で米国内への大規模投資が相次いでいることを紹介し、アメリカの産業復活と雇用創出が進んでいると強調した。（詳細はこちら）

修正均衡予算・緊急財政赤字削減法第251A条に基づく、2026会計年度の強制削減措置に関する覚書（5月30日）

この覚書は、修正均衡予算・緊急財政赤字削減法第251A条に基づき、2025年5月30日の行政管理予算局（OMB）が報告した算出額に従って、2026会計年度の強制削減措置(“Sequestration”)を実施するよう命じたものである。（詳細はこちら）

「ファクト：『One, Big, Beautiful Bill』は歳出を削減しつつ、成長を促進する」（5月28日）

ホワイトハウスは、「One, Big, Beautiful Bill」の性質について、歳出の削減と成長促進の両立という観点で説明した。具体的にはまず、財政赤字については現行法を上回る削減が可能であり、福祉・エネルギー・国境管理における改革も並行して行うとするミラー次席補佐官の説明を取り上げた。またナバロ上級顧問の解説を引用し、当該法案と関税政策による歳入増が合わされば、最大2兆ドルに及ぶ黒字が期待されるとした。（詳細はこちら）

「見逃した方へ：トランプ大統領の『One, Big, Beautiful Bill』は最大11,600ドルの賃金上昇、新規雇用を約束している」（5月28日）

ホワイトハウスはNational News Deskから受けた独占インタビューについての記事を再掲し、「One, Big, Beautiful Bill」を労働者へのメリットという面から解説した。具体的には、2017年の減税・雇用法を継承して行う大規模な減税がブルーカラーの労働者に恩恵をもたらすとし、投資促進や製造業の拡大促進、雇用創出といったメリットも併せて強調した。（詳細はこちら）