「マジャル現象」は保守をもって保守を制するか:オルバーン政権のスキャンダルと保守新党台頭の行方

「マジャル現象」は保守をもって保守を制するか:オルバーン政権のスキャンダルと保守新党台頭の行方
今年2月に表面化し、大統領の辞任にも発展した児童性的虐待関連の恩赦をめぐるスキャンダルは、オルバーン政権に決して軽くない打撃を与えている。国民の反発はオルバーン大統領に向かい、与党フィデス内部にも批判の声が上がる中、急速に支持を集め始めたのがマジャル・ペーテルとその保守新党「ティサ(TISZA)」だ。

第二次オルバーン政権で重要な役割を担いながらも一定の距離を置いてきたマジャルは、ハンガリーの有権者から支持を獲得するには十分な条件を備えている。現時点で政権を揺るがすまでには至らないものの、欧州議会選の結果次第では与党分裂につながる可能性も指摘される。

(論考:2024年6月6日、寸評追記:6月11日
※本稿は、Foresight(フォーサイト)にも掲載されています。

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ハンガリー国民は2010年から現在まで続くフィデス(Fidesz)政権を、そしてオルバーン・ヴィクトル首相をどの程度支持しているのだろうか。

2022年4月に行われた総選挙で、与党は憲法改正に十分な3分の2以上の議席を確保し、オルバーン首相は 「月から見えるほどの大勝利」と表現した。反移民や反EUを訴えることでEUへの失望や不満を取り込み、そしてロシア・ウクライナ戦争の早期終結と物価上昇対策を強調することで戦争による負担増への不満を吸収する形で、フィデスへのハンガリー国民の支持の根強さを見せつけた[1]。

しかし、オルバーン政権は、2024年初頭に就任以来初めての大型政治スキャンダルに見舞われ、盤石かに見えた欧州議会選挙においても新政党への支持の急増という政治的な課題に直面している。こうした揺らぎは、EUの加盟国でありながら権威主義化を進めるオルバーン政権による言論の自由への締め付けの限界を浮き彫りにしている。

政権スキャンダル:性的虐待関係者の恩赦と大統領辞任

2024年2月初旬、ハンガリーの独立系メディア「444.hu」においてセンセーショナルなニュースが報じられた。1月に独立系メディア「HVG」が明らかにした2023年の恩赦リストの中に、2004年から2016年にかけて10人以上の少年を虐待した罪で有罪判決を受けた児童養護施設の副院長が、恩赦対象として含まれていたという。この男性は、2023年4月27日、ローマ教皇のハンガリー訪問を前に密かに恩赦を受けていた[2]。

この報道をうけて、恩赦を決定したノヴァーク・カタリン大統領とそれを承認する立場にあったヴァルガ・ユディット司法相(当時)に批判が殺到した。2月4日の野党モメンタム運動による「小児性愛は想像を絶する最悪の犯罪のひとつであり、被害者の人生に回復不能な損害をもたらすものだ」という批判はその一例である[3]。ノヴァーク大統領は、6日の記者会見において小児性犯罪を非難した一方で、今回の報道については「(野党による)政治的なキャンペーン」だと批判をかわそうとした。しかし、この会見は野党によるさらなる反発と辞任要求を招くだけの結果となった。対応を迫られた政府は、8日に大統領職の恩赦に関する権限を狭め小児性犯罪の恩赦を禁止する憲法改正案を提出すると宣言したが、批判が収まることはなかった。

それどころか、与党フィデスの中にもこの恩赦に対して異を唱える政治家が現れた。ラジオ・フリー・ヨーロッパによれば、同メディアに対して複数のフィデス関係者が匿名を条件に「党内は沈黙とショックに包まれている」と驚きをもって受け止められた状況を明かすとともに、「これは今、誰にとっても非常に不愉快なことだ」と与党としての姿勢に不満の声を漏らしたという[4]。

こうした政権内部からの批判はフィデスにとって想定外であったように見える。

ハンガリーでは、2010年の第二次オルバーン政権の発足以降、法改正やメディアの買収、親会社の統合などを通じて、政府によるメディアへの支配を徐々に強化した。汚職スキャンダルに対する野党からの追及などを主要メディアが報じないようにさせるとともに、政府の主張を頻繁に報じさせることも可能になった。オルバーン首相およびアンタル・ロガーン首相府官房長官を中心として作られた、特定の内容に関する言論の自由を完全に排除することはないものの静かな言論統制下にあるハンガリーの政治体制を、同国の独立系シンクタンクPolitical Capitalディレクターのクレコー・ペーテルは「情報独裁国家(informational autocracy )」と呼ぶ[5]。

しかし、今回の恩赦は、与党議員および与党を支持するハンガリー国民にとっても納得できる決定ではなかった。2月13日から20日にかけて行われた世論調査でフィデスは支持率を数ポイント減少させた[6]。児童への性的虐待は、子どもや家族の重要性を訴えてきたフィデスの主義主張と明らかに反するものであり、またノヴァーク大統領は就任前に家族政策担当大臣を務めるなど家族政策の中核的な役割を担ってきた人物であったことも大きな要因であろう。このスキャンダルはオルバーン政権が築き上げてきた情報独裁国家における一つの弱点をあぶり出した。

2024年2月10日、ノヴァーク大統領は、世界水泳選手権のためのカタール訪問を急遽切り上げて帰国し、恩赦決定は「誤っていた」として辞任を表明した。同時に、ヴァルガ前司法相も議員辞職を表明した。ハンガリーにおいて大統領や閣僚が任期途中で退任するケースは2012年のシュミット・パール大統領の博士論文剽窃を理由とした辞任に次いで、2例目である。しかし、今回は政治スキャンダルの影響は大統領のみに留まらず、フィデスにも及んでおり、オルバーン政権へのダメージは小さくない。

恩赦をめぐるスキャンダルが大々的に報道されてからわずか1週間程度での辞任発表。オルバーン政権は、速やかに関係者に責任を取らせ、対策を訴えることで幕引きを図ろうとした。しかし、その後も誰が恩赦の決定を主導したかをめぐって議論は続き、政権は引き続き”火消し”に追われる状況が続いていた。

マジャル・ペーテルによる保守系野党の急成長

このような状況において政界に姿を現したのが、現在43歳で弁護士のマジャル・ペーテルである[7]。2月12日、マジャルは独立系YouTubeチャンネル「パルティザン」に出演。インタビューに応じ、今回の恩赦決定からその対応をめぐる一連の経緯に対して、保守派の一人としての憤りをあらわにした[8]。翌月の3月15日には、ブダペストで約3万人の群衆を動員し、過去数年で最大規模の反政府集会を開催、近日中に「国のために働きたいと願うすべての善意のハンガリー人が参加することを歓迎する」政党を立ち上げることを表明した[9]。

マジャルは、ヴァルガ前司法相の元夫であり、大叔父にマードル・フェレンツ元大統領を持つことでも知られている。2006 年に当時は野党であったフィデスが主導した反政府デモに参画して以降、第二次オルバーン政権においてハンガリー欧州連合代表部の外交官としての経験や首相府の外交チームにてEUとの調整役を担った経験を持つ。その後も、ヴァルガ前司法相が政界からの引退を表明するまではいくつかの役職を持っており、近年ではハンガリー開発銀行(MFB)や学生ローンセンター(Diákhitel Központ)の取締役を務めた。しかし、政府で活躍する同年代のシーヤールトー・ペーテル外務貿易相等とは異なりフィデスの青年組織(Fidelitas)に育てられたわけではなく、政権の内部にいたとはいえ、その中枢を担ってはいなかった。

政権の内情を把握しているものの政府とは一定の距離を保ってきたという彼の経歴は、ハンガリーの有権者から支持を獲得するには十分な条件であった。

首都ブダペストでの集会への大規模動員を成功させたマジャルは、5月にもハンガリー第二の都市で、フィデス支持者が伝統的に多い「フィデス王国」のデブレツェンでも大規模デモを実施し、約1万人もの有権者を動員することに成功した[10]。ハンガリーの野党への支持は都市部が中心であり地方での支持を獲得できない傾向にあるが、その傾向はマジャルには見られない。マジャルは、地方の街に与党フィデス以上に積極的に足を運び、(支援獲得に苦しんでいる他の野党とは異なり)実際に多くの有権者を動員している。ある地方の町では「何百人もの人々が拍手を送」り、別の都市では群衆が団結して「空に向かって手を伸ばしていた」という[11]。

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4月17日から6月5日までにマジャル・ペーテルが選挙戦において訪れた都市や集落の一覧 ※引用元:Google社「Google マップ」、Telexの5月15日までの集計をもとに筆者追記

こうして起きた「マジャル現象」は、2年前の2022年、野党統一候補の勝利がかなわず失望していた有権者に加えて、近年深刻な課題となっているインフレ対応をめぐって不満を募らせていた有権者の支持も獲得したことで起きているように映る。

これに対して、オルバーン政権は得意のメディア戦略で対抗しようとした。その手段のひとつが2020年に設立されたSNSインフルエンサー支援センター「メガフォン(Megafon)」である。この組織は公式には政府からの資金提供を否定しているものの、独立系メディアTelexなどが間接的な資金提供の実態を明らかにしており、政府寄りの機関とされている12。マジャルを非難するため、ハンガリー政府はメガフォンを通じてFacebook広告費に約1300万円を提供した[13]。また、オルバーン政権は欧州議会選向けの街頭ポスターのターゲットにもした。オルバーン首相が対決姿勢を強める欧州委員会委員長のウルズラ・フォン・デア・ライエンに向けたネガティブキャンペーンには、委員長の「謙虚な召使い」の一人としてマジャルが名指されている[14]。

しかし、オルバーン政権によるマジャル批判は説得力に欠けている。マジャルを他の野党と同様に「左翼」と批判しても[15]、本人は保守を自任していることからその効果は薄く、それ以上の政策面での批判はフィデスの政策の自己批判となる。SNSでは、政府系メディアやインフルエンサーが中心となってヴァルガ前司法相に対するDV疑惑をはじめとするマジャルの疑惑を積極的に報じているが、こうしたマジャルの過去の言動への追及も、過去のフィデスによる政治任用の正当性を否定することになり、フィデス自身へのブーメランとなりかねない。

実際、3月に行われたMediánによる世論調査では、恩赦をめぐるスキャンダルの責任をオルバーン首相に求めた有権者の割合は約3分の2にのぼり、その余波はおさまっていない[16]。また、4月に行われた別の団体による世論調査では、マジャル・ペーテルの新政党「ティサ(TISZA:『尊重と自由』の頭文字であり、ハンガリー最大のドナウ川支流の名前でもある)」は投票する可能性のある有権者のうち23%の支持を獲得し(フィデスは49%)、野党第1党であった民主連合の8%を大きく上回った[17]。ティサ党はフィデスに対抗して、賃上げや福祉の拡充、不正の禁止、公共メディアの独立性の回復などを訴えている[18]。政権を揺るがすとまでは現時点では言えないが、マジャル・ペーテルの新政党が政権にとって厄介な存在となりつつあることは確かであろう。

欧州議会選における与党のネガティブキャンペーンで使われているポスター(マジャルは右端) ※セーケシュフェヘールバールにて筆者撮影

分水嶺としての欧州議会選

とはいえ、マジャルの新党を含めハンガリーの野党にとって、選挙戦は過酷なものである。ハンガリーは歴史的に大政党に有利な選挙制度であり、少ない票で多くの議席を獲得できる。第二次オルバーン政権は、国政選挙において、OSCE(欧州安全保障協力機構)の民主制度・人権事務所の規定に反する選挙区割りの変更を強行し、野党優勢の選挙区をまとめることで与党にとって不利な選挙区の数を減らした。また、得票率が過半数に達しなかった際の決選投票を廃止することで、野党が優勢な都市部などでも得票率で上回れば与党が勝利できるシステムを作り出した。さらには、一定数の選挙区において候補者の擁立を行わないと政党名簿を作成できないように法律を改正するとともに、複数政党で共同リストを出す場合に議席を得るための閾値を引き上げることで、野党が団結するかどうかにかかわらず、野党にとって不利な状況を生み出した[19]。

他方、欧州議会選はEUの共通規則で認められている最大の閾値(5%の得票率)が議席獲得要件として課されてはいるものの、選挙区はハンガリー全体で1つという大選挙制となっており、国政選挙と比べると与党の制度上の優位性が少ない選挙制度となっている[20]。欧州議会において、ハンガリーは21議席を与えられており、マジャルの新政党「Tisza Party」は4月中旬時点では3議席、5月末の調査ではその倍の6議席の議席獲得が予想されている。

色分けは円グラフの外側にそれぞれ記載の欧州議会における政治会派による ※出典:Euractiv[21]

ティサ党にとっては、6月9 日の選挙で実際に6議席を獲得し、最大野党そして前例のない躍進を成し遂げた新政党としてフィデスに存在感を見せつけることができるかが1つの鍵となる。また、エトヴェシュ・ロラーンド大学(ELTE)のトゥルク・ガーボル准教授が指摘するように、他の野党からではなく与党を支持する有権者から票を奪えているかも重要だ。50%近くまで与党の得票率が減れば、与党の幹部の一部がマジャルに合流するといった与党分裂の可能性を排除しきれなくなってくる[22]。

「マジャル現象」というハンガリー政治の新たなうねりは、かつてオルバーン政権への対抗を試みた他の野党と同様に、あくまでも一時的なものにとどまり、オルバーン政権の権威主義体制の強靭さをみせつけるのか。それとも、これまでのリベラル派による与党批判とは一線を画す保守派による政権批判を通じて「保守を持って保守を制する」ことができるのか。欧州議会選のハンガリーにおける結果とその後の行方が注目される。

6月11日追記(選挙結果の寸評)

ハンガリーにおける欧州議会選挙の投票率は56.09%。EU加盟以来最も高い投票率となった。ティサ党は、Euractivの予測議席よりも1議席多い7議席を獲得、約30%の得票率を得て大躍進を遂げた。これに対して、これまで2議席を持っていた野党のモメンタム運動や1議席の獲得が予測されていたハンガリー二股尻尾犬党(MKKP)が5%条項を満たすことができず議席獲得に至らないなど、他の野党はティサ党に大敗を喫した。フィデスも過半数こそ維持したものの議席数を2つ減らし、得票率は50%を下回る「辛勝」となった。2024年の欧州議会選はティサ党の一人勝ちに終わったと言えよう。

今回、ハンガリーでは欧州議会選と同時に地方自治体選挙も実施されたが、これらの選挙においても同様の結果が示された。ブダペスト市長選では、フィデスの公認候補が市長選直前で立候補を辞退を余儀なくされ、同議会選では与党フィデスとティサ党の数が同数となった。また、ハンガリー南東部のホードメゼーヴァーシャールヘイ市においてマールキ=ザイ・ペーテル(元野党6党首相候補)の再選を許すなど、フィデスは2014年や19年に失ったポストを奪還することもできなかった。

次の大型選挙は2026年のハンガリー総選挙となる。まずは、ティサ党が欧州議会選で得た支持を維持するのみならず、フィデスの支持者と政治家からの支持を奪うことで党勢を拡大することができるかが今後の大きな注目点の一つとなる。加えて、フィデスはこれまで、本稿で言及した政党名簿に関する(2022年選挙を見越した)法改正をはじめとして、国政選挙の前後に恣意的な選挙制度の改正を繰り返し行ってきた。このことを踏まえると、ティサ党の動向に加えて、2026年までの2年間の間にオルバーン政権が選挙制度をより与党に有利なものに変えてしまわないかという点についても注視する必要がある。

参考文献

  • [1]石川雄介「ポーランドとハンガリーの反発に映るEUの揺らぎ」(地経学ブリーフィング、2022年11月21日). https://apinitiative.org/2022/11/21/41705/; 石川雄介「「ハンガリーのプーチン」の勝利:「異端児」をめぐる米中「包容力の競争」時代が始まる」(新潮社フォーサイト、2022年4月15日). https://www.fsight.jp/articles/-/48793
  • [2] Lengyel Tibor. “Kegyenc fegyenc – Novák Katalin 30 éves rekordokat döntöget kegyelmezésben.” HVG, January 10, 2024. https://hvg.hu/itthon/20240110_Kegyenc_fegyencek__Novak_Katalin_30_eves_rekordokat_dontoget_kegyelmezesben ; Urfi Péter. “Szégyellje magát! – üzeni Novák Katalinnak a pedofil igazgató egyik áldozata.” 444.hu, February 3, 2024. https://444.hu/2024/02/02/szegyellje-magat-uzeni-novak-katalinnak-a-pedofil-igazgato-egyik-aldozata
  • [3] “Elbontotta a Karmelita előtti kordont a Momentum és a Sándor-palota elé vitte.” 24.hu, February 4, 2024. https://24.hu/belfold/2024/02/04/kordon-karmelita-momentum-novak-katalin-bicskei-gyermekotthon-igazgatohelyettes-kegyelem-pedofilia/
  • [4] Andy Heil. “What The Fall Of Hungary’s President Says About Orban’s Grip On The Country.” Radio Free Europe, February 12, 2024. https://www.rferl.org/a/hungary-novak-resignation-orban-grip/32816814.html
  • [5] Krekó, Péter. (2022). The birth of an illiberal informational autocracy in Europe: a case study on Hungary. The Journal of Illiberalism Studies, 2(1), 55-72.
  • [6] “Publicus: Az ellenzék nem tudta hasznosítani a Fidesz gyengülését a kegyelmi ügy után.” Index, February 24, 2024.
  • [7] Magyar Péterは、日本語でマジャール・ペーテルと表記されることもあるが、本稿ではハンガリー語の発音に合わせてマジャル・ペーテルと表記する。
  • [8] “EXKLUZÍV: Varga Judit exférje a pedofilbotrányról, Rogán Antalról és a fideszes törésvonalakról. (YouTube).” Partizán, February 12, 2024. https://www.youtube.com/watch?v=8cJulnczg2E
  • [9] Presinszky Judit & Horváth Kávai Andrea. “Former Justice Minister’s ex-husband releases recording he claims proof of high-level involvement in corruption case.” Telex, March 26. 2024. https://telex.hu/english/2024/03/26/damning-recording-about-orbans-right-hand-man-trying-to-cover-up-involvement-in-corruption-published-by-former-justice-ministers-ex-husband
  • [10] “Orbán challenger in Hungary mobilises thousands at demonstration.” Euronews, May 6, 2024. https://www.euronews.com/2024/05/06/orban-challenger-in-hungary-mobilises-thousands-at-demonstration
  • [11] Cseke Balázs & Bakró-Nagy Ferenc. “Térképen nézheti meg, hova ment el kampányolni eddig az országban Orbán, Magyar és Dobrev.” Telex, May 15. 2024. https://telex.hu/belfold/2024/05/15/valasztasi-kampany-fele-orszagjaras-orban-viktor-magyar-peter-dobrev-klara-deutsch-tamas
  • [12] Tóth-Biró Marianna & Bálint Kata. “Közpénzből éheznek az elismerésre: így vándorolnak a milliárdok a kormány kedvenc szakértőihez.” Telex, November 25. 2021. https://telex.hu/belfold/2021/11/25/kozpenz-milliardok-a-kormany-szakertoire-alapjogokert-kozpont-batthyany-lajos-alapitvany
  • [13] Fekő Ádám. “Pár nap alatt 30 millió forintot költött a Megafon a legnépszerűbb közösségi médiás felületen.” Media 1, February 18, 2024. https://media1.hu/2024/02/18/par-nap-alatt-30-millio-forintot-koltott-a-megafon-a-legnepszerubb-kozossegi-medias-feluleten/ ; Papp Atilla. “Egy hónap alatt 200 milliót hirdetett el a Megafon, legutóbb a parlamenti választás idején költöttek ennyit.” 24.hu, April 22, 2024. https://24.hu/belfold/2024/04/22/200-millio-megafon-hirdetes/
  • [14] Nagy Bálint. “For ten years, the Hungarian government has used billboards to proclaim that a city constantly wants to harm Hungary.” Telex, May 10. 2024. https://telex.hu/english/2024/05/10/for-ten-years-the-hungarian-government-has-used-billboards-to-proclaim-that-a-city-constantly-wants-to-harm-hungary
  • [15] Barnóczki Brigitta. “Menczer Tamás: Magyar Péter azért nem beszélt a tüntetésén a háborúról, mert az amerikaiak megtiltották neki.” Telex, April 12, 2024.
  • [16] “Medián: Magyar Péter berobbant – ha lenne pártja, a voksok akár 13%-át kapná azoktól, akik hallottak róla.” HVG, March 13, 2024. https://hvg.hu/360/20240313_median
  • [17] “Iránytű: Magyar Péter pártja 26 százalékon áll a biztos szavazók között.” 24.hu, April 24, 2024. https://24.hu/belfold/2024/04/24/magyar-peter-tisza-part-iranytu-intezet-partpreferencia-kozvelemeny-kutatas/
  • [18] “A Tisza Párt hivatalos honlapja” https://magyartisza.hu/
  • [19] 選挙制度の変更の詳細については下記の論文を参照されたい。Scheppele, K. L. (2022). How Viktor Orbán Wins. Journal of Democracy, 33(3), 45-61.; 山野井茜.(2018)「ハンガリー総選挙の衝撃~与党フィデス圧勝の要因と今後~」『金融財政ビジネス』2018年5月10日号. https://www.murc.jp/library/report/global_1806_2/
  • [20] “A guide to the European and local elections in Hungary.” Political Capital, April 24, 2024. https://politicalcapital.hu/news.php?article_read=1&article_id=3363; Tóka Gábor. “Mandátumszerzési esélyek az európai választáson a Novák-gate előtt és után.” 444.hu, February 15, 2024. https://voxpopuli.444.hu/2024/02/15/mandatumszerzesi-eselyek-az-europai-valasztason-a-novak-gate-elott-es-utan
  • [21] Max Griera. “Magyar scores three seats but fails to weaken Orbán: EU election projection.” Euractiv, April 16, 2024. https://www.euractiv.com/section/elections/news/magyar-scores-three-seats-but-fails-to-weaken-orban-eu-election-projection/; Arató László. “Friss előrejelzés: tovább gyengült a szélsőjobb és a Fidesz, belehúzott a Tisza”. HVG, May 29, 2024. https://hvg.hu/eurologus/20240529_friss-elorejelzes-tovabb-gyengult-a-szelsojobb-es-a-fidesz-belehuzott-a-tisza
  • [22] Mizsur András. “Török Gábor: Orbán Viktornak be kellett szállnia ebbe a kampányba.” Telex, May 15. 2024. https://telex.hu/belfold/2024/05/15/torok-gabor-elemzes-valasztasi-musor-valasztas-2024
Yusuke Ishikawa Research Fellow/Digital Communications Officer
Yusuke Ishikawa is a Research Fellow and Digital Communications Officer at Asia Pacific Initiative (API) and Institute of Geoeconomics (IOG). Since 2024, he also works remotely as an external contributor for the Anti-Corruption Helpdesk at Transparency International Secretariat (TI-S) in Berlin. His research focuses on European comparative politics, democratic backsliding, and anti-corruption. He has published multiple commentaries and videos on European politics, such as elections in V4 countries, Hungarian politics and foreign policy, and corruption in Ukraine, for internal and external outlets. At API, as a digital communications officer, he is also responsible for the planning and management of the website and SNS (especially YouTube and LinkedIn). In addition to his research and PR-related roles, he previously worked as an intern for the Fukushima Nuclear Accident project and Abe administration project (Oct 2020 – Jan 2021), as a research assistant for CPTPP program (Jan 2021 – Jun 2022), and as a research associate for IOG’s Europe & Americas group and a translation project of the book “Critical Review of the Abe Administration” (Bungei Shunju, 2022) into English and Chinese (Jul 2022 – Jul 2024). Prior to joining API, he worked as a full-time research intern at Transparency International Hungary on a project to measure and interview concerned parties on the transparency of major banks in Hungary. This research was funded by Central European University (ISP Remote Internship Fund). He has also worked as a part-time consultant at Transparency International Defense & Security in the UK for Defense Companies Anti-Corruption Index. He received his BA in Political Science from Meiji University, MA in Corruption and Governance (with Distinction) from the University of Sussex, and another MA in Political Science from Central European University. During his BA and MAs, he also acquired teacher’s licenses in social studies in secondary education and a TESOL (Teaching English to Speakers of Other Language) certificate.
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Yusuke Ishikawa

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Yusuke Ishikawa is a Research Fellow and Digital Communications Officer at Asia Pacific Initiative (API) and Institute of Geoeconomics (IOG). Since 2024, he also works remotely as an external contributor for the Anti-Corruption Helpdesk at Transparency International Secretariat (TI-S) in Berlin. His research focuses on European comparative politics, democratic backsliding, and anti-corruption. He has published multiple commentaries and videos on European politics, such as elections in V4 countries, Hungarian politics and foreign policy, and corruption in Ukraine, for internal and external outlets. At API, as a digital communications officer, he is also responsible for the planning and management of the website and SNS (especially YouTube and LinkedIn). In addition to his research and PR-related roles, he previously worked as an intern for the Fukushima Nuclear Accident project and Abe administration project (Oct 2020 – Jan 2021), as a research assistant for CPTPP program (Jan 2021 – Jun 2022), and as a research associate for IOG’s Europe & Americas group and a translation project of the book “Critical Review of the Abe Administration” (Bungei Shunju, 2022) into English and Chinese (Jul 2022 – Jul 2024). Prior to joining API, he worked as a full-time research intern at Transparency International Hungary on a project to measure and interview concerned parties on the transparency of major banks in Hungary. This research was funded by Central European University (ISP Remote Internship Fund). He has also worked as a part-time consultant at Transparency International Defense & Security in the UK for Defense Companies Anti-Corruption Index. He received his BA in Political Science from Meiji University, MA in Corruption and Governance (with Distinction) from the University of Sussex, and another MA in Political Science from Central European University. During his BA and MAs, he also acquired teacher’s licenses in social studies in secondary education and a TESOL (Teaching English to Speakers of Other Language) certificate.

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