米中戦略的競争下での中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC):地経学の時代におけるグローバルサウスの主体性

【IOGコメンタリーNo. 2】2024年9月、中国は、国交の無いエスワティニを除くアフリカの53か国全ての指導者を北京に集め、今年最大規模の「ホーム・グランド外交」活動である中国・アフリカ協力フォーラム北京サミット(FOCAC 9)を北京で開催した。習近平国家主席は基調講演で、「70年間に渡る中国・アフリカ関係の歴史の中で今は史上最良の時期にある」と…(以下、本文に続く)

 
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経済苦境下での大盤振る舞い

2024年9月、中国は、国交の無いエスワティニを除くアフリカの53か国全ての指導者を北京に集め[1]、今年最大規模の「ホーム・グランド外交」[2]活動である中国・アフリカ協力フォーラム北京サミット(FOCAC 9)を北京で開催した。習近平国家主席は基調講演で、「70年間に渡る中国・アフリカ関係の歴史の中で今は史上最良の時期にある」と胸を張る[3]。一方で、華々しい国際会議とは裏腹に、中国経済は、生産・消費・投資いずれも振るわず、未だ苦境に立たされている[4]。そんな中、FOCAC9では合意文書として「新時代の全天候型中国・アフリカ運命共同体の構築に関する北京宣言(以下、「北京宣言」)[5]」と「FOCAC北京アクション・プラン(2025-2027)(以下、「北京行動計画」)[6]」が採択され、中国政府は大きな外交成果と誇った。「北京宣言」は、FOCACこそ、グローバルサウスの諸国が発展のために助け合う「南南協力」のモデルであると讃えている。それはあたかも、中国・アフリカ協力は、先進国が援助者として上から目線で、アフリカと関わるのとは違うと訴えているかのようだ。

世界各国が、グローバルサウスの大きな一角を占めるアフリカに、熱い視線を注ぐようになって久しい。各国は、FOCACのようなアフリカとのサミット外交である「アフリカ+1」サミット[7]を開催し、アフリカとの関係強化を進めてきた。「アフリカ+1」サミットは、1993年に日本のイニシアティブで、アフリカ開発会議(TICAD)が開催されたことを皮切り[8]に、今では、欧米各国、ロシア、韓国、インド、インドネシア等、多くの国々がこぞってアフリカ諸国との会議を開催している[9]

中国は、2000年の北京での第1回以後、3年に1度、中国とアフリカの主催国との輪番でFOCACを開催してきた。2000年代中頃から、急速に高まるアフリカにおける中国のプレゼンスにより、国際社会は、FOCACで示される中国の対アフリカ支援計画の規模に注目してきた。2010年代半ばのFOCACでは、600億ドルという巨額の支援が打ち出され、アフリカでの中国の存在感を内外に強烈に示した。しかし、コロナ禍の2021年にオンラインで行われたFOCAC 8では、400億ドルと、FOCAC史上初めてとなる支援金額の減額が伝えられ、これもチャイナ・ウォッチャーや、国際開発業界関係者を驚かせた[10]

アフター・コロナ時代で初の対面での開催となった今回のFOCACでも新たに示される中国の対アフリカ支援の規模に注目が集まった[11]。結果、3年前の約束を100億ドル上回る、500億ドル強相当の3600億人民元もの支援が約束された。しかし、これは、景気減速に直面する中国にとって、相当な負担が課されたことも意味する。

表:FOCAC9で決まった中国の対アフリカ支援策「現代化10大パートナーシップ・アクション」

これらの支援策の実施のため、中国から3年間で3600億人民元もの支援が約束された。
出典:「中非合作论坛—北京行动计划(2025-2027)」を元に、筆者作成。

中国は一体ここから何を得ることができたのか?本稿では、経済的な手段(エコノミック・ステイトクラフト)と国家の戦略的目的の達成の関係を分析する「地経学」[12]の視座からこの問いの答えを探る。その際、援助を、援助提供側が、見返りとして援助受益側から何らかの望ましい政策を引き出すための取引材料として分析する「援助・政策取引」論(Aid-for-Policy Deal)[13]の視座が参考になる。アフリカとの協力からの中国の主要な利得として、資源権益といった経済的利益がよく指摘されるが、本稿では、FOCAC9で約束した大規模な投入のコミットで中国は「政治的に」何が得られたのかを地経学的に考察する。

FOCAC 9で中国は何を得たのか?

習政権になってからのFOCAC協力メニューの中には、中国のアフリカ内外での国際的影響力を高める仕掛けがいくつも埋め込まれてきた。今回の協力では、さらに従来よりも中国自身の政治的アジェンダ、とりわけ、アメリカとの競争を意識した協力事項が盛り込まれることとなった。FOCAC 9の成果文書には、通貨、貿易、平和・安全保障、グローバル・ガバナンス等、あらゆる面において、アメリカの国際的リーダーシップに挑戦する姿勢が散りばめられている。

通貨について、FOCAC 9に関連した報道では、「500億ドル強相当」という金額の大きさそのものに注目が集まっているが、今回の支援プレッジ(約束)では、「3600億人民元」だったことが目を引く。これまでのFOCACの支援プレッジ金額はドル建てだったが、今回初めて人民元建てとなった。これは、中国にとっては、為替リスクのヘッジと共に、人民元の国際化につなげる動きと解釈できる[14]。これでもって、ドル覇権への対抗とまでとは到底言えないが、少なくとも中国・アフリカ間の経済協力関連の取引におけるドルへの依存度を大きく低減させることができる。また、「北京宣言」は、エリトリア、南スーダン、スーダン、ジンバブエに対するアメリカ等の西側諸国に対する制裁を非難し、撤廃を求めており、これらの国との協力においては、ドルを介さない取引のニーズも強い。

貿易面において、中国は、アフリカ33か国を含む後発開発途上国(LDC)向けの全ての輸入品に対するゼロ関税を約束した。習主席はこれを「中国の大市場をアフリカにとって大きな機会とする」と胸を張った[15]。この中国の市場の開放の対象国への経済的意義は大きく、アフリカのLDCの発展の観点からは評価できる。一方で、中国の巨大市場へのアクセス拡大は、対象国と中国との非対称な依存関係につながり、中国の当該国への発言権、すなわち、地経学的な影響力行使の強化にもつながりうる[16]

多国間貿易体制について、「北京行動計画」は、「広く恩恵が行き渡る包摂的な経済グローバル化」の進展を唱える。そして、中国・アフリカは引き続き世界貿易機関(WTO)の核心価値と基本原則の維持を訴えている。そのうえで、デカップリングとサプライチェーンの断絶に反対し、一方的な行動や保護主義に抵抗し、中国、アフリカを含む広範な発展途上国メンバーの正当な利益を守り、世界経済成長の活力と原動力を増強することを目指すとする。グローバル・バリューチェーンの拡大が、途上国に大きな恩恵[17]をもたらしてきた中、アメリカをはじめとする西側勢力が自らの都合で捻じ曲げようとしている世界の自由貿易体制を守るのは自分たちだというナラティブが紡がれている。

FOCAC9は、中国の政治アジェンダの国際舞台への投射を印象付ける場にもなった。「北京宣言」や「北京行動計画」は、7月の中国共産党第20期三中全会でキーワードとなった「中国式現代化」に繰り返し言及している。加えて、「アフリカの現代化」、引いては「グローバルサウスの現代化」と、こうした中国の掲げる「現代化」スローガンが、あたかも国際目標に昇華したかのように掲げられている[18]。また、「北京行動計画」では、安全保障、AI、原子力エネルギー、バイオ・セキュリティ、経済・金融、汚職対策、気候変動、海洋等、あらゆる分野でのグローバル・ガバナンス強化が盛り込まれており、中国がアフリカの支持をとりつけながら、グローバル・ガバナンス参画を進めていく姿勢が鮮明となっている。

とりわけ、安全保障分野における中国のグローバルな取り組みの具現化におけるFOCAC 9の貢献は特筆に値する。中国は、アフリカ側に対し、グローバル安全保障イニシアティブ(GSI)協力モデル地域を創設し、GSIの初期段階の協力を展開する意向を表明した。GSIとは、中国が世界ビジョンとして示す「人類運命共同体」の実現のため打ち出した外交イニシアティブとして、ここ数年のうちに習主席自らが打ち出してきた一連のグローバルなイニシアティブのうちの1つだ。 GSIはそのうち、総合的な安全保障概念を打ち出し、グローバルな安全保障協力の実践を呼び掛けているものである[19]。しかし、開発協力分野でのグローバル発展イニシアティブ(GDI)といった先行しているイニシアティブに比し、安全保障における国際的な影響力が限定的な中国にとって、GSIの推進は容易ではなく、GSIは実績を欠いたままだった[20]。習主席肝いりのGSIは、グローバルサウスを中心に国際社会での浸透が図られており、FOCAC 9は、その具体的な実践を示す場を提供した。

「援助―政策取引」におけるアフリカの意向

FOCAC 9では、中国は、アメリカとの競争を背景にした自らの政治的な意図に沿う目標を対アフリカ協力に組み込むことに成功した。この中国の「成功」を「援助―政策取引」論の視座から見る場合、巨額の「援助」の提供と同時に、その対価としてアフリカ側から得られる「政策」のためのコストを低減させていることにも注目が必要だ。中国にとって都合の良いFOCAC 9の協力事項は、アフリカ側から見ても、受け入れが容易だったものと考えられる。途上国の利益をよりよく反映させ、先進国主導の現行の国際秩序を、より平等で公正なものにするために共に行動しようという中国の呼びかけが奏功したのであろう。植民地化の歴史や独立後も続く西洋諸国への不信感を持つアフリカ各国にとってグローバルサウス諸国での団結というナラティブは受け入れられやすい。とはいえ、当然ながら、中国の対アフリカ協力には、多くの課題もある。中国のアフリカ協力は、「途上国同士の助け合い」という立てつけから、富める者からの施しではなく、「ウィン・ウィン」や「相互利益」を原則として掲げている。この原則により、中国側も協力プロジェクトから利益を得るものとされ、結果として、先進国の援助とは一線を画した極めて商業的な融資条件による開発協力の実践につながっている。

なお、中国もFOCAC 9で全てを思い通りに進められたわけではない。王毅外相は、9月5日のFOCAC 9についての記者会見で「中国とアフリカは『Small Yard High Fence(小さな庭に高い柵を立てるというアメリカの輸出管理強化策)』を打破することで一致した」と述べ、アメリカの規制措置への対抗におけるアフリカ側との団結をアピールした。しかし、「Small Yard High Fence」への言及は、FOCAC9の合意文書には無く、アフリカ側には、文書上での第三国であるアメリカへの対抗の明記には抵抗感があったことが伺われる。アフリカをはじめ、途上国は、大国同士の競争に自らが巻き込まれることを嫌う。

高まるアフリカの主体性

アフリカ研究において、アフリカが主体性を発揮し、大国外交や国際場裏で自らの願望を実現する「アフリカン・エージェンシー」論が論じられるようになって久しい[21]。実際に、アフリカは国際的なプレゼンスの高まりによって、常に国際機関や外部の大国の言いなりでひ弱な存在といった従来よくあったステレオタイプとは異なり、 国際交渉においてタフな姿勢を示すようになっている。今では、アフリカ側も、増加する「アフリカ+1」サミットを梃に、パートナーの多様化[22]によって特定国への依存を避けることで、アフリカの主体性を高めている[23]。今後もFOCACの「政治化」を進め、中国側がアフリカ側の目指す方向とは合わない目標を入れようとするなら、困難に直面するだろう。

FOCAC 9の経験は、他国にも多極化に向かう世界でのグローバルサウス諸国と付き合う上での教訓[24]を与えてくれる。アメリカもUSアフリカリーダーズサミットという「アフリカ+1」サミット外交を展開し、アフリカとの関係強化を図るが、現段階で中国の取り組みより成功しているとは言い難い。南アフリカの研究者ジャナ・デ・クルイバー氏は、米国の戦略は「アフリカ政策というよりも反中国政策」としてみられていると見透かす[25]。ロシアがウクライナへの侵攻を開始した2022年には、同年に開催された前回のTICAD 8で、日本側は、アフリカ側に対し、ロシアの侵略反対での一致を模索した[26]。しかし、ロシアを名指しする対立の論理が受け入れがたい国がアフリカには多く、その試みはうまくいかなかった。アフリカのプレゼンスと主体性が高まる時代において、文字通り「対等なパートナー」として、交渉し、合意をしていく姿勢が、これまで以上に必要になっている。「アフリカ+1」サミットから何か戦略的利益を引き出そうとするのであれば、「+1」国は、アフリカ側の意に沿う目標を掲げなくては、成功は難しいだろう。

地経学で見るグローバルサウスの勃興する世界

以上、本稿では、中国が、FOCAC9において、大規模な経済協力を約束することで、アフリカ諸国の人民元使用の誘導、自国へのさらなる貿易依存、中国の好む政治ナラティブの浸透等の政治的な便益を引き出したことを論じてきた。こうした経済協力を、自国の戦略的利益を引き出すためにエコノミック・ステイトクラフトとして活用するという現象は、これまでも中国に限らず、ほぼ全ての援助供与国に見られてきた。しかし、前述のように、FOCAC 9では、従来以上に「政治化」が進んでおり、その背景には、米中競争があることが、成果文書から伺える。プレゼンスを高めるアフリカとの関係強化を巡る競争が激化し、各国が経済協力のさらなる政治的な活用を進めようとしている。しかし、アフリカ側は主体性を高めており、単純に援助提供国の思惑通りには動かない。こうした「援助・政策取引」が活発になる対グローバルサウス外交を考察するにあたり、諸国家によるエコノミック・ステイトクラフトとその作用を分析する地経学の視座がますます欠かせないものとなっている。

脚注

  • [1] 王毅. 谱写新时代全天候中非命运共同体新篇章 2024-09-16 https://www.mfa.gov.cn/wjbzhd/202409/t20240916_11491690.shtml
  • [2] 「ホーム・グランド外交」とは、中国語で「主场外交」で、自国で開催される国際会議等の外交活動を指す。
  • [3] 习近平. 携手推进现代化,共筑命运共同体——在中非合作论坛北京峰会开幕式上的主旨讲话 (2024年9月5日 北京)https://www.gov.cn/yaowen/liebiao/202409/content_6972495.htm
  • [4] Bloomberg News「中国経済、8月に失速-生産・消費・投資不調で成長目標達成に暗雲」『Bloomberg』2024年9月14日、https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-09-14/SJS6WXT1UM0W00(2024年9月14日閲覧)。
  • [5] 关于共筑新时代全天候中非命运共同体的北京宣言(全文)来源:外交部 发布:2024-09-05 22:07
    https://2024focacsummit.mfa.gov.cn/kms/202409/t20240905_11486048.htm
  • [6] 中非合作论坛—北京行动计划(2025-2027)来源:外交部 发布:2024-09-05 22:06
    http://www.focac.org/chn/ttxx/202409/t20240905_11486047.htm
  • [7] Soulé, Folashadé. 2020. “‘Africa+1’ Summit Diplomacy and the ‘New Scramble’ Narrative: Recentering African Agency.” African Affairs 119 (477): 633–46. https://doi.org/10.1093/afraf/adaa015.
  • [8] 外務省「TICADの特徴」外務省ウェブサイト、2021年7月13日、https://www.mofa.go.jp/mofaj/af/af1/page22_002577.html(2024年9月18日閲覧)
  • [9] Soulé, Folashadé. 2021. “How Popular Are Africa+1 Summits Among the Continent’s Leaders?” Carnegie Endowment for International Peace, December 6, 2021. https://carnegieendowment.org/posts/2021/12/how-popular-are-africa1-summits-among-the-continents-leaders?lang=en.
  • [10] Cichocka, Beata, and Mikaela Gavas. 2021. “Europe, Take Note: A New Course for China-Africa Relations Set Out at FOCAC 2021.” Center for Global Development, December 9, 2021. https://www.cgdev.org/blog/europe-take-note-new-course-china-africa-relations-set-out-focac-2021.
  • [11] Leahy, Joe, Andres Schipani, and Joseph Cotterill. 2024. “China’s Xi Jinping Courts African Leaders to Ward Off Geopolitical Rivals.” Financial Times, September 5, 2024.
  • [12] 鈴木一人『資源と経済の世界地図』PHP研究所、2024年、鈴木一人. 2024. 「経済安全保障から地経学へ」『地経学ブリーフィング』No.200  https://apinitiative.org/2024/04/17/57188/
  • [13] 「援助・政策取引」論に依拠し、援助提供国と援助受入国の間の政治経済のやりとりを分析した論考として代表的なものに、Bueno de Mesquita, Bruce, and Alastair Smith. 2009. “A Political Economy of Aid.” International Organization 63 (2): 309-340.がある。また、中国の対アフリカ融資をエコノミック・ステイトクラフトの視点から分析した論考として、Zeitz, Alexandra O. 2019. “The Financial Statecraft of Debtors: The Political Economy of External Finance in Africa.” PhD diss., University of Oxford.が挙げられる。
  • [14] 大矢伸『地経学の時代―米中対立と国家・企業・価値』実業之日本社、2022年。大矢伸「国際経済と経済安全保障 ―制裁、金融、通貨を中心に」国際文化会館地経学研究所編『経済安全保障とは何か』東洋経済新報社、2024年。
  • [15] 习近平在中非合作论坛北京峰会开幕式上的主旨讲话(全文)https://2024focacsummit.mfa.gov.cn/kms/202409/t20240905_11485611.htm
  • [16] Hirschman, Albert O. 1945. National Power and the Structure of Foreign Trade. Berkeley: University of California Press.
  • [17] 猪俣哲史『グローバル・バリューチェーンの地政学』日経BP、2023年。
  • [18] 同様に、頻繁に国際文書に取り入れられ、国際目標のように言及されてきた中国共産党のスローガンとして、「運命共同体(a community with shared future)」がある。
  • [19] 中華人民共和国外交部「全球安全倡议概念文件(全文)」2023年2月21日。https://www.mfa.gov.cn/wjbxw_new/202302/t20230221_11028322.shtml
  • [20] 江藤名保子「日中関係の展望」『中国で何が起きているのか』(18)、日本記者クラブ、2024年9月12日、https://www.youtube.com/watch?v=Ofd-Bj2JsvA&t=1s(2024年9月18日閲覧)
  • [21] Brown, William, and Sophie Harman, eds. 2013. African Agency in International Politics. 1st ed. London: Routledge. Mohan, Giles, and Ben Lampert. 2013. “Negotiating China: Reinserting African Agency into China–Africa Relations.” African Affairs 112 (446): 92-110.
  • [22] Bueno de Mesquita, Bruce, and Alastair Smith. 2016. “Competition and Collaboration in Aid-for-Policy Deals.” International Studies Quarterly 60 (3): 413-426.は、実証分析により、ある途上国に複数の援助国が援助を提供する場合、競争メカニズムが働き、それにより、単数の援助国が援助を提供するよりも、「援助・政策取引」において、途上国側から望ましい政策を引き出すため、より多くの援助を提供せざるを得ないことを示した。
  • [23] Soulé, Folashadé. 2020. “‘Africa+1’ Summit Diplomacy and the ‘New Scramble’ Narrative: Recentering African Agency.” African Affairs 119 (477): 633–46. https://doi.org/10.1093/afraf/adaa015. Amare, T. and Vines, A. (2024) ‘China–Africa summit: Why the continent has more options than ever’, Chatham House, 13 September. Available at: https://www.chathamhouse.org/2024/09/china-africa-summit-why-continent-has-more-options-ever (Accessed: 24 September 2024).
  • [24] 神保謙「多極化世界への準備ができない米国:米国と世界の潮流のミスマッチをどう克服するか」『地経学ブリーフィング』No.221、アジア・パシフィック・イニシアティブ、2024年9月19日、https://apinitiative.org/2024/09/19/59502/(2024年9月19日閲覧)。
  • [25] Leahy, Joe, Andres Schipani, and Joseph Cotterill. 2024. “China’s Xi Jinping Courts African Leaders to Ward Off Geopolitical Rivals.” Financial Times, September 5, 2024.
  • [26] 白戸圭一「転機を迎えたTICAD プロセス」『アフリカレポート』, 60, 32-38、2022年、白戸圭一「冷めたTICAD―アフリカは日本の『300億ドル拠出』に期待していない」『フォーサイト』2022年9月22日。金子七絵「TICADプロセスと日本のアフリカ開発協力」『立法と調査』第451号、2022年、66-82頁。
Kenichi Doi Senior Research Fellow
Senior Research Fellow of the China Group at the Institute of Geoeconomics (IOG). Doi specializes in China and the world (geoeconomic issues, such as development finance and emerging technologies), and global governance in the social development sectors, including education and health. He graduated from the University of Kitakyushu with a B.A. in International Relations (Contemporary China Studies) and a Master of Public Policy from the University of Tokyo. Doi joined the Japan International Cooperation Agency (JICA) in 2008, where he worked on the implementation of the Japanese government’s foreign aid to China at the JICA Beijing Office and conducted financial investments in economic and social infrastructure and research on China’s development cooperation with the Global South at the Africa Department. In 2018, he began his doctoral studies in the Department of Education Economics at Peking University in China, where he received his PhD in Public Policy in 2022. Doi served as a senior researcher and advisor at Diinsider Co., Ltd, a China-based international development consultancy, and as an adjunct researcher at the Center for the Study of International Cooperation in Education, Waseda University, before being appointed to his current position in August 2024.
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