民間・独立のシンクタンクという立場から、アジア・太平洋地域を代表する知の交流の拠点となり、グローバルでより高いインパクトを発することを目指してまいります。
冷戦後のグローバリゼーションの時代から、国際経済と地政学の戦略が渾然一体となる「地経学」の時代へと転換する2022年、地経学研究所を設立いたしました。
グローバルに活動する企業は、どのように情報収集をし、リスクとコストのバランスをどう取れば良いのか。
自由で開かれた、持続可能な未来をつくるために日本はどうあるべきか。
こうした問題意識のもとに、IOGはアジア太平洋地域から、グローバルな発信力を持つシンクタンクとなることを目指します。
アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)が培った国際関係・地域研究・地政学の知見を引き継ぎつつ、海外のシンクタンクや国内外の政・官・財・学とのネットワークもさらに強固に発展させてまいります。
2022年7月に国際文化会館とAsia Pacific Initiativeの合併に伴い、国際文化会館内に設立された民間・独立のシンクタンク。経済安全保障、経済制裁、技術覇権など地政学と経済が融合した「地経学」の枠組みで幅広い課題に対して分析を行い、海外シンクタンク、国内外の政官財学のネットワークのハブとなっている。具体的には以下の取り組みを実施。
アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)および国際文化会館がこれまで築いてきた政官財学や海外シンクタンクのネットワークを結集し、地経学、経済安全保障に関わるハイレベルコミュニティのハブであり続けます。
民間・独立のシンクタンクの立場から、人的・知的交流を活発化させ、地経学のプロフェッショナル実務家育成に取り組むとともに、政策立案・実行や企業活動に必要な高度な情報を集約・発信していきます。
アジア太平洋地域における地経学、経済安全保障分野のネットワークの中心となり、産官学の連携を深めていきます。
具体的には、地経学・経済安全保障に関する産官学ネットワーキング、国際シンポジウム・ワークショップ・フィールドトリップ、地経学・経済安全保障に関する共同研究に取り組んでいきます。
「これまで日本では政治と経済、安全保障と民間活動、官と民など、それぞれの世界が完結して存在し、互いに干渉しながらも自律的なものとして扱われてきました。しかし、現代世界ではこれらの区別は意味を持たなくなり、地政学と経済が融合した「地経学」の枠組みでなければ理解できない事象が増えてきています。経済安全保障、経済制裁、技術覇権など、地経学が扱うべき課題は多いです。IOGでは幅広く地経学のテーマを扱い、国際社会に向けてスピード感をもって発信して、日本を、そしてアジア・太平洋を代表するシンクタンクへと育てていきたいと考えています。ご支援のほどよろしくお願いいたします」
中国は自己の「大国」イメージに合致する力の獲得を目指し、国際情勢のあらゆる局面で影響力を拡大しようとしています。その影響力の源泉となるのが経済活動です。では中国はどのようにして経済的パワーを政治的パワーに転換しようとしているのでしょう。また中国の描く対米戦略、ひいては国際戦略は日本をはじめとする周辺各国にどのような影響をもたらすのでしょう。こうした問題意識から中国グループは、世界の中国研究動向を踏まえて中国の国家戦略――特に経済安全保障政策――を分析し、その国際社会における波及効果を考察しています。
中国グループの研究活動経済安全保障は、地経学の研究の中でも中心的な研究テーマです。戦略的自律性を達成すべく、サプライチェーンの強靱化だけでなく、投資規制や技術流出を巡る問題、国際政治経済における変動を読み解きながら、経済に与える影響を分析することが重要なテーマとなっています。それと同時に、日本が戦略的不可欠性を獲得するための技術開発や戦略的産業政策といったことも重要な分析対象となります。これらの研究を具体化するために、重要物資のサプライチェーンの分析や、各国の経済安全保障戦略や産業政策に関する動向の分析などを行っています。
経済安全保障グループの研究活動欧米諸国は、民主主義の理念やルールに基づく国際秩序をどのように擁護し、発展させていくのでしょうか。欧米グループでは、ヨーロッパ(西欧、中・東欧)およびアメリカ大陸(北米、中南米)地域の諸国や機構の政治・経済情勢の分析、および欧米諸国が主導してきた自由で開かれた国際秩序についての研究を行っています。具体的には、①自由で開かれた国際秩序(Liberal International Order: LIO)、②国内政治の変化が国際秩序に与える影響(2024年の選挙イヤー特集)、③民主主義の後退と偽情報の関係を分析しています。
欧米グループの研究活動日本を取り巻く安全保障環境の悪化、米中の戦略的競争、ウクライナとガザにおける戦争がもたらす影響などにより、近年、国際的な安全保障秩序が目まぐるしく動いています。このような中で、安全保障に関する動態を読み解くことは、国際政治はもとより、国際経済や企業行動を分析する上で不可欠な視点となりつつあります。国際安全保障秩序グループでは、日本や世界の安全保障・軍事・防衛・戦略に関するあらゆる動きを対象として研究・発信を行っています。特に、安全保障と経済が交錯する分野である防衛産業や、日本の安全保障政策に関する研究・政策提言に力を入れています。
国際安全保障秩序グループの研究活動現在、先端的なテクノロジーは軍事・民生の境目なく利用されるようになり、国家のパワーを軍事・経済・社会など多方面から規定する重要な要因となっています。同時に、その開発や管理にかかわるアクターは多様化し、国際関係に現代特有の複雑なダイナミクスを生み出すことにもつながっています。新興技術グループではAIや宇宙関連技術といった最新分野に焦点を当て、テクノロジーと国家及び民間企業の関係、それに伴い形成される国際秩序について研究を行っています。
新興技術グループの研究活動運営団体 | 公益財団法人 国際文化会館 |
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地経学研究所Executive Committeeメンバー |
鈴木 一人(地経学研究所長(東京大学公共政策大学院教授)) |
会館オフィス |
〒106‐0032 東京都港区六本木5‐11‐16 国際文化会館 |
民間・独立のシンクタンクという立場から、
アジア・太平洋地域を代表する知の交流の拠点となり、
グローバルでより高いインパクトを発することを目指してまいります。