パキスタン総選挙|選挙イヤー2024
2024.07.04
2月8日に行われたパキスタンの総選挙はカーン元首相が率いていたPTIに所属していた無所属候補が97議席を獲得し、シャリーフ元首相のPMLNが76議席、ブット元首相の息子が率いるパキスタン人民党(PPP)が54議席を獲得することとなった(総議席数は265)。いずれも過半数を得ることが出来なかったが、おそらくPMLNとPPPが連立を組んでシャリーフが首相に返り咲くことになるとみられる。パキスタンでは軍の政治における影響力が大きく、軍に支持されたPMLNに有利になるよう、カーン元首相を裁判で有罪にし、牢獄の中からの選挙活動にさせただけでなく、PTIの名前で選挙に参加することが禁じられた。またクリケットの国民的選手であったカーンを象徴する、クリケットのバットまで選挙活動で使えなくするという徹底ぶりだったが、それにも関わらずPTI系の候補集団が第一党となった。パキスタンの社会的分断や軍の介入への反発などがこうした結果をもたらしたと言えるが、国土全域に広がった洪水からの立て直しなど課題山積の中で、不安定な政権運営を強いられる状況となっている。(鈴木一人)
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目次
鈴木 一人 地経学研究所長/経済安全保障グループ・グループ長
立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了、英国サセックス大学大学院ヨーロッパ研究所博士課程修了(現代ヨーロッパ研究)。筑波大学大学院人文社会科学研究科専任講師・准教授、北海道大学公共政策大学院准教授・教授などを経て2020年10月から東京大学公共政策大学院教授。国連安保理イラン制裁専門家パネル委員(2013-15年)。2022年7月、国際文化会館の地経学研究所(IOG)設立に伴い所長就任。
【兼職】
東京大学公共政策大学院教授
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研究者プロフィール
鈴木 一人
地経学研究所長,
経済安全保障グループ・グループ長
立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了、英国サセックス大学大学院ヨーロッパ研究所博士課程修了(現代ヨーロッパ研究)。筑波大学大学院人文社会科学研究科専任講師・准教授、北海道大学公共政策大学院准教授・教授などを経て2020年10月から東京大学公共政策大学院教授。国連安保理イラン制裁専門家パネル委員(2013-15年)。2022年7月、国際文化会館の地経学研究所(IOG)設立に伴い所長就任。 【兼職】 東京大学公共政策大学院教授
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