イラン国会議員選挙|選挙イヤー2024

3月1日に行われたイランの国会(Majilis)の議員選挙は、現時点で490議席のうち、投票率が20%を切った選挙区の45議席が再投票となっているため、確定はしていないが、保守派が圧倒的多数の議席を獲得した。イラン国民が保守派を選択したというよりは、選挙の前に候補者の適格審査を行う護憲評議会(保守派の聖職者が中心)が改革派・穏健派の候補を軒並み失格にした結果である。2021年の大統領選挙も同様に護憲評議会による選別によりライーシが大統領となったが、それが繰り返されたため、国民の間にはしらけムードが漂った選挙となった。注目された投票率は史上最低の41%であり、テヘランでは投票された票の中で白票が25%にのぼり、他の都市部も同様だったとのこと。これまでイスラム聖職者による統治と共和主義的な統治の複合体制として機能してきたイランを支えてきた「選挙による体制の正統性」が失われつつある。(鈴木一人)
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鈴木 一人 地経学研究所長/経済安全保障グループ・グループ長
立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了、英国サセックス大学大学院ヨーロッパ研究所博士課程修了(現代ヨーロッパ研究)。筑波大学大学院人文社会科学研究科専任講師・准教授、北海道大学公共政策大学院准教授・教授などを経て2020年10月から東京大学公共政策大学院教授。国連安保理イラン制裁専門家パネル委員(2013-15年)。2022年7月、国際文化会館の地経学研究所(IOG)設立に伴い所長就任。 【兼職】 東京大学公共政策大学院教授
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研究者プロフィール
鈴木 一人

地経学研究所長,
経済安全保障グループ・グループ長

立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了、英国サセックス大学大学院ヨーロッパ研究所博士課程修了(現代ヨーロッパ研究)。筑波大学大学院人文社会科学研究科専任講師・准教授、北海道大学公共政策大学院准教授・教授などを経て2020年10月から東京大学公共政策大学院教授。国連安保理イラン制裁専門家パネル委員(2013-15年)。2022年7月、国際文化会館の地経学研究所(IOG)設立に伴い所長就任。 【兼職】 東京大学公共政策大学院教授

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