リトアニア総選挙|選挙イヤー2024

10月27日、リトアニアにて議会選挙(一院制、小選挙区比例代表並立制)の決選投票が実施された。13日に行われた第1回投票と合わせて、中道左派の野党・社会民主党(LSDP)が141議席中52議席を獲得して第一党に躍進したが、過半数には届かなかった。他方、中道右派のシモニテ首相率いる与党・祖国同盟(TS-LKD)は、50議席から28議席へと議席を大幅に減らす結果となった。シモニテ政権は、所得の伸び率が2桁台に達し、物価上昇率もEU加盟国中で最低水準に抑えるなど、経済面で成果をあげてきたものの、医療サービスの悪化や経済格差の拡大などへの不満が高まり、近年徐々に支持率を低下させていた。第三党には、ポピュリズム政党とも形容される新興政党ネムノ・アウシュラ(Nemuno Aušra)が入り、20議席を獲得した。社会民主党は同党との連携を否定しており、中道左派政党である民主連合「リトアニアのために」(DSVL、14議席)および農民・グリーン同盟(LVŽS、8議席)との連立が予想される。連立が成立すれば、祖国同盟から社会民主党への政権交代がなされるが、祖国同盟と社会民主党の間では対ロシア政策や防衛費に関する相違は小さく、リトアニアの厳しい対ロ姿勢に変化はないと見られる。
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石川 雄介 研究員/デジタル・コミュニケーション・オフィサー
専門はハンガリーを中心とした欧州比較政治、民主主義の後退、反汚職対策。明治大学政治経済学部卒業、英国・サセックス大学大学院修士課程修了(汚職とガバナンス専攻)、ハンガリー・中央ヨーロッパ大学大学院政治学研究科修士課程修了。 トランスペアレンシー・インターナショナル ハンガリー支部でのリサーチインターンなどを経て、アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)に参画。API/地経学研究所にて、インターン、リサーチ・アシスタント、欧米グループ研究員補(リサーチ・アソシエイト)を経た後、2024年8月より現職。APIでは、福島10年検証、CPTPP、検証安倍政権プロジェクトに携わった。シンクタンクのデジタルアウトリーチ推進担当として、財団ウェブサイトや SNSの活用にかかる企画立案・運営に関わる業務も担当。 主な著作に『偽情報と民主主義:連動する危機と罠』(共著、地経学研究所、2024年)、『EU百科事典』(分担執筆、丸善出版、2024年)、Routledge Handbook of Anti-Corruption Research and Practice(分担執筆、Routledge、2025年出版予定)などがある。 【兼職】 国際NGO Transparency International Anti-Corruption Helpdesk (ベルリン)外部寄稿者・コンサルタント
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研究者プロフィール
石川 雄介

研究員,
デジタル・コミュニケーション・オフィサー

専門はハンガリーを中心とした欧州比較政治、民主主義の後退、反汚職対策。明治大学政治経済学部卒業、英国・サセックス大学大学院修士課程修了(汚職とガバナンス専攻)、ハンガリー・中央ヨーロッパ大学大学院政治学研究科修士課程修了。 トランスペアレンシー・インターナショナル ハンガリー支部でのリサーチインターンなどを経て、アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)に参画。API/地経学研究所にて、インターン、リサーチ・アシスタント、欧米グループ研究員補(リサーチ・アソシエイト)を経た後、2024年8月より現職。APIでは、福島10年検証、CPTPP、検証安倍政権プロジェクトに携わった。シンクタンクのデジタルアウトリーチ推進担当として、財団ウェブサイトや SNSの活用にかかる企画立案・運営に関わる業務も担当。 主な著作に『偽情報と民主主義:連動する危機と罠』(共著、地経学研究所、2024年)、『EU百科事典』(分担執筆、丸善出版、2024年)、Routledge Handbook of Anti-Corruption Research and Practice(分担執筆、Routledge、2025年出版予定)などがある。 【兼職】 国際NGO Transparency International Anti-Corruption Helpdesk (ベルリン)外部寄稿者・コンサルタント

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