地経学研究所(IOG)は、この度、日本企業100社に対し経済安全保障に関するアンケートを実施し、調査結果を公表しました。2021年に続き二回目の実施となります。
本調査は、日本の経済安全保障において重要な位置を占め、またその影響を敏感に受けているとIOGが考える日本の企業100社(研究機関等を含む。以下同じ)に対し、経済安全保障に関する課題やリスク、実際の取り組み、米中対立の影響、そして政府への期待や要望を中心に、アンケート形式で行ったものです。アンケートは、対象企業の経済安保担当部署へ2022年11月から電子メールで調査票をメールで送付、2023年1月にかけてご回答いただき、集計しました。
調査結果の要旨は以下のとおりです。調査結果に関する主要データはこちらをご覧ください。なお、調査結果に関する研究員の論考は、『API地経学ブリーフィング』(東洋経済オンラインにも掲載)に掲載しています。
経済安全保障への取り組みにおける「一番の課題」を複数回答で尋ねたところ、1位は「米中関係の不透明性」(72.2%)で、半数以上の企業が「台湾有事を想定した対応」(50.6%)をあげた。「ウクライナ情勢を受けた対ロ制裁によるコスト増」は27.1%、「台湾有事を想定した対応によるコスト増」は18.6%となった。
今回はロシアによるウクライナ侵攻とこれに伴う対ロ制裁の影響についても尋ねた。
従前から懸念であった米中対立に加え、ウクライナ情勢の長期化、台湾有事への危機認識など、不確実性の高まる世界。国内では経済安全保障推進法が成立。各企業が、経済合理性に基づいて事業展開を行うグローバリゼーションの時代は終わりを迎えつつある。日本企業は、安全保障と経済活動、リスクとコストのはざまで苦悩しながらも、一歩踏み出し、具体的な取り組みを始めている。
本調査の関連リンク
第一回の調査結果(2021年12月24日発表)は、こちらをご覧ください。