エルサルバドル大統領選|選挙イヤー2024
2024.07.20
2月4日に行われたエルサルバドル大統領選は、憲法で1期5年と定められている大統領職の任期を、憲法裁判所の判事を更迭してまで憲法解釈を変更し、再選を可能とした現職のブケレ大統領が圧倒的な支持を受けて再選された。ブケレ大統領は、自ら「世界一クールな独裁者」を名乗り、逮捕状を請求しなくてもギャングのメンバーを逮捕するなど強権的な手法で治安回復を果たしたことで、国民の人気も高い。しかし、その治安政策の裏で多くの無実の人が冤罪で逮捕されるなどの問題もあり、その手法には疑問が付されている。世界で初めてビットコインを法定通貨にするなど、対米従属からの脱却と、エルサルバドル経済にとって重要である出稼ぎ労働者からの送金を容易にする政策などは国民に浸透しなかった。かつてフィリピンのドゥテルテ大統領が行った強権的な治安回復措置を範とし、習近平主席やプーチン大統領のように憲法の規定を超えて権力を維持する仕組みを導入するなど、民主主義と法の支配に対する挑戦が続いていることを印象付ける選挙となった。(鈴木一人)
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目次
鈴木 一人 地経学研究所長/経済安全保障グループ・グループ長
立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了、英国サセックス大学大学院ヨーロッパ研究所博士課程修了(現代ヨーロッパ研究)。筑波大学大学院人文社会科学研究科専任講師・准教授、北海道大学公共政策大学院准教授・教授などを経て2020年10月から東京大学公共政策大学院教授。国連安保理イラン制裁専門家パネル委員(2013-15年)。2022年7月、国際文化会館の地経学研究所(IOG)設立に伴い所長就任。
【兼職】
東京大学公共政策大学院教授
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研究者プロフィール
鈴木 一人
地経学研究所長,
経済安全保障グループ・グループ長
立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了、英国サセックス大学大学院ヨーロッパ研究所博士課程修了(現代ヨーロッパ研究)。筑波大学大学院人文社会科学研究科専任講師・准教授、北海道大学公共政策大学院准教授・教授などを経て2020年10月から東京大学公共政策大学院教授。国連安保理イラン制裁専門家パネル委員(2013-15年)。2022年7月、国際文化会館の地経学研究所(IOG)設立に伴い所長就任。 【兼職】 東京大学公共政策大学院教授
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