トランプ政権トラッカー:大統領令の概要と解説 No.24(2025年7月2日-7月7日)

大統領令一覧
相互関税率の改定措置を延長する大統領令(7月7日)
この大統領令は、追加関税の一時停止措置が2025年7月9日に期限を迎える予定だったところ、措置を同年8月1日まで延長することを命じたものである。追加関税措置は、2025年4月2日付の大統領令14257号で公表されたが、その後4月9日付の大統領令14266号で発動が90日間一時停止されていた。また、米国の関税分類(HTSUS)に基づく特定項目の適用停止措置も同様に8月1日まで延長される。ただし、対中国の別枠の関税緩和措置(大統領令14298号)は引き続き有効であり、今回の措置の影響は受けないとしている。さらにファクトシートでは、トランプ大統領が日本や韓国を含む複数の国に対し、8月1日から新たな相互関税率を適用する旨の書簡を送付したと発表。一部の国では、4月2日に発表された当初より関税率が引き下げられた一方で、関税率が引き上げられた国もあると説明されている。(大統領令はこちら、ファクトシートはこちら)
不安定で外国勢力に支配されたエネルギー源への市場を歪める補助金を撤廃する大統領令(7月7日)
この大統領令は、風力や太陽光などのグリーンエネルギーが、大規模な補助金によって支えられてきた結果、外国勢力への依存を高め、米国の安全保障を損なっているとして、これらへの政府支援を廃止する方針を示した。具体的には、財務長官に対し、風力・太陽光発電施設に対する発電税控除および投資税控除の終了と、その抜け道を防ぐ措置の実施を指示。また、内務長官に対しても、所管する規則や政策を見直し、グリーンエネルギーへの優遇措置を廃止するよう求めている。(大統領令はこちら、ファクトシートはこちら)
ホワイトハウス特別平和ミッション室を設立する大統領令(7月3日)
この大統領令は、世界各地の紛争終結を支援するため、ホワイトハウス内に特別平和ミッション室を新設することを命じるものである。同室は、大統領が任命する特使が率い、国防省や国務総省など関係省庁と連携しながら、海外の紛争解決に向けた取り組みを行う。(大統領令はこちら)
国立公園を整備し、アメリカを再び美しくするための大統領令(7月3日)
この大統領令は、国立公園の運営体制を改革し、レクリエーション機会の拡大と国民の負担軽減を同時に進めるものである。具体的には、非居住者に対する入場料等料金を引き上げて歳入を増加させ、レクリエーションインフラ・サービス改良等への投資や米国民の優遇措置に充てる。また、レクリエーションの機会を不必要に阻害するような規制については、廃止を進める。(大統領令はこちら、ファクトシートはこちら)
「アメリカを再び美しくする」委員会の設立を命じる大統領令(7月3日)
この大統領令は、国立公園の自然保護とアウトドア活動の機会拡充を図るため、「アメリカを再び美しくする」委員会の設立を命じるものである。内務長官を委員長とする同委員会は、自然環境保全に関する官庁間の調整に加え、絶滅危惧種の保全、水資源の保護、アウトドア・レクリエーション産業を視野に入れた国立公園などへのアクセス拡大に関する政策提言を行う。(大統領令はこちら、ファクトシートはこちら)
布告・覚書・公式発表一覧
連邦政府の採用における説明責任の確保と公共安全の優先に関する覚書(7月7日)
この覚書は、2025年10月15日までの連邦政府の採用について、原則として、現在空席の連邦職員ポストの採用を凍結し、新規ポストの創設を禁止する方針を示した。ただし、軍人・移民取締・国家安全保障・公共の安全関連のポスト、大統領府関連のポスト、社会保障・メディケア・退役軍人医療に影響を及ぼす業務は、この方針の適用を除外される。また、採用はすべて、2025年5月29日付の「メリット採用計画」および2025年1月20日付の大統領令14170号に基づき実施される。(詳細はこちら、ファクトシートはこちら)
チッパワの戦い211周年に寄せる大統領メッセージ(7月5日)
ホワイトハウスは、米英戦争における重要な戦闘である1814年のチッパワの戦いから211周年を迎えるにあたり、祖国のために戦った兵士たちの功績を称えるメッセージを発表した。チッパワの戦いは、アメリカ軍がイギリス軍に勝利し、当時の米国の軍事力を世界に示した重要な戦いである。(詳細はこちら)
「トランプ大統領のOne Big Beautiful Billがついに成立」(7月4日)
2025年7月4日、トランプ大統領が「One Big Beautiful Bill」に署名し、同法が正式に成立した。ホワイトハウスは、この法律が一世代に一度の重要な立法であり、大統領の選挙公約とアメリカ・ファーストを実現するものだと強調している。(詳細はこちら)
アメリカ独立宣言採択249周年に寄せる大統領メッセージ(7月4日)
ホワイトハウスは、アメリカ独立宣言採択249周年を記念し、建国の理念と先人たちの功績を称えるメッセージを発表した。また来年に建国250周年を見据え、独立宣言に掲げられた理念の再生と国力の回復に取り組む決意を表明している。(詳細はこちら)
「ファクトシート:トランプ大統領、アメリカ建国記念日に向けて最大級の祝賀計画を発表」(7月3日)
ホワイトハウスは、建国250周年を祝う史上最大の祝賀イベント計画を発表した。”The Great American State Fair”と題した全米巡回型イベントや、2026年7月にナショナル・モールで行われる盛大な式典、高校生対象の競技大会”Patriot Games”などが予定されおり、ホワイトハウスのタスクホースとアメリカ250委員会の協力のもとで実施する。(詳細はこちら)
ゲティスバーグの戦いから162周年を記念した大統領声明(7月3日)
トランプ大統領は、1863年のゲティスバーグの戦いから162周年であることを記念し、南北戦争を戦った人々の勇気・自己犠牲・建国理念への献身を称えた。(詳細はこちら)
2025年 アメリカ合衆国シークレットサービス創設160周年に関する布告(7月2日)
この布告は、1865年の創設から160周年を迎える米国シークレットサービスについて、その歴史と功績を称えるとともに、大統領や副大統領をはじめとする要人の安全確保に従事する職員の献身と勇気に感謝と敬意を表するものである。またシークレットサービスの功績の一つとして、2024年にトランプ大統領を二度の暗殺未遂から守ったことについても言及している。(詳細はこちら)
「並外れた成果:トランプ大統領、違法な越境を過去最低水準に抑制」(7月2日)
ホワイトハウスは、2025年6月の米南部国境での不法入国者の摘発件数が6070 人となり、同年3月の記録をさらに下回る過去最低を記録したと発表した。バイデン前政権時代と比較して、厳格な国境管理と強制送還措置が効果を上げていると強調している。(詳細はこちら)