トランプ政権トラッカー:大統領令の概要と解説 No.36(2025年10月15日-11月24日)

【一覧】トランプ政権トラッカー(大統領令・布告・覚書・発表)
Index 目次

大統領令一覧

特定のムスリム同胞団支部を外国テロ組織および特別指定国際テロリストへ指定する大統領令(11月24日)

この大統領令は、ムスリム同胞団の特定支部や下部組織を「外国テロ組織」および「特別指定国際テロリスト」に指定する方針を示したものである。ムスリム同胞団は1928年にエジプトで設立され、現在は中東全域に支部を持つイスラム系の組織であり、本大統領令は同団体がハマスへの支援等に関与していると指摘する。国務長官と財務長官には、大統領令発令後30日以内にムスリム同胞団の複数の支部(レバノンやヨルダン、エジプトなど)をテロ組織として指定すべきかについて報告書を提出し、その後45日以内に正式に指定するための措置を講じるよう指示している。(大統領令はこちら、ファクトシートはこちら

ブラジル政府に対する関税の適用範囲を修正する大統領令(11月20日)

この大統領令は、ブラジルとの交渉状況を踏まえ、様々な形態の食肉類や同国特産の農産品の一部(穀物・ナッツ・果物・コーヒー・スパイス・加工品等)について、同国に課されている従価関税の対象から除外することを定めるもの。これは7月の大統領令でブラジル産品に追加で40%の従価関税が課された際、付属書で適用除外対象が示されたところ、これを拡大する形となる。修正された適用範囲は2025年11月13日より有効とみなされ、遡及して還付手続きも行われる。(大統領令はこちら、修正済の付属書はこちら

特定の農産品に関する相互関税の適用範囲を修正する大統領令(11月14日)

この大統領令は、貿易パートナー国との交渉状況、特定製品の国内需要、米国内の供給能力などを踏まえ、コーヒー、茶、熱帯・果実ジュース、ココア、スパイス、バナナ、オレンジ、トマト、牛肉、肥料など、一部の農産品を相互関税の対象から除外することを定めるもの。新たな関税の適用範囲は2025年11月13日より適用される。相互関税を巡っては、2025年9月5日の大統領令14346でも対象品目の範囲が調整されていた。(大統領令はこちら

アメリカの子どもたちと家族の未来を育むための大統領令(11月13日)

この大統領令は、里親制度を強化し、子どもの教育・キャリア構築・自立までを支える包括的システムへと改革するものである。保健福祉長官は、児童福祉データベースをアップデートし、養育者の確保やマッチング適正化を進めるなど制度の運用を効率化するほか、信仰面の自由も確保する。またファースト・レディが主導する「未来を育む」イニシアティブが官民パートナーシップを構築しつつ、青少年へ必要なリソースを提供できる基盤の造成や連邦資金の再配分、奨学金の促進を行う。(大統領令はこちら、ファクトシートはこちら

米中協議での合意を反映して、相互関税率を改定する大統領令(11月4日)

この大統領令は、5月(ジュネーブでの協議後)、8月(ストックホルムでの協議後)と継続して一時停止が命じられてきた対中追加関税24%の賦課を、さらに2026年11月10日まで1年間停止するものである。本措置は10月30日の米中協議での合意に沿ったものであり、中国側がレアアース規制、米半導体産業への報復措置、対米報復関税などの撤回や米国産品の購入を進める姿勢を示したことを受け、米中間の非互恵的な貿易関係を是正する動きとして評価された。ただし中国側のコミットメントが不十分な場合は、措置の修正が行われる可能性も示唆された。(大統領令はこちら

中国からの合成オピオイド供給網に対処するための関税措置について、税率を引き下げる大統領令(11月4日)

この大統領令は、2月に発令され、3月に20%まで引き上げられたフェンタニル対策の対中関税を、10%に引き下げるものである。10月30日の米中協議において、中国側が化学物質の輸出管理厳格化等を通じ、フェンタニル流出阻止に向けた措置をとる姿勢を示したことが理由とされている。新たな関税率は11月10日より発効する。
(大統領令はこちら

連邦政府の採用における説明責任の継続的確保に関する大統領令(10月15日)

この大統領令は、連邦政府職員の採用プロセスを、1月20日の大統領令で示された実力主義に基づいて統制するものである。具体的には、連邦政府諸機関は特別委員会を組織し、全採用について国益に照らして審査・認可するほか、必要性や政権の優先事項に沿った年間人員計画を作成し、実力主義や効率化を念頭にこれを遵守する。一方でこの命令は、ホワイトハウスや移民執行、軍など特定の機関・採用に対しては不適用となっている。(大統領令はこちら、ファクトシートはこちら

布告・覚書・公式発表一覧

2025年感謝祭の布告(11月24日)

この布告は、ジョージ・ワシントンによる宣言やエイブラハム・リンカーンによる記念日の制定に引き続き、2025年11月27日を感謝祭とするものである。また神に感謝を捧げつつも国家を前進させているとし、経済の回復や生活費の低減、平和の達成やアメリカの精神の復活が進んでいるとした。(詳細はこちら

「72回の逮捕歴にも関わらず – 民主党は犯人が被害者に火をつけるのを許した」(11月24日)

ホワイトハウスは、前週にシカゴの地下鉄で乗客の女性が火をつけられて重傷を負った事件で、犯人が72回の逮捕歴を持っていたにも関わらず、保釈金を免除するイリノイ州法下で釈放され続けていたことを以てプリツカー知事や市長らを批判した。また政権として、保証金を伴わない保釈の廃止を命じる大統領令や、ワシントンDCでは治安維持・景観美化タスクフォースの設置などを行っていることを強調した。(詳細はこちら、ワシントンDCのタスクフォースはこちら

ジュネーヴでの和平協議の概要(11月23日)

ホワイトハウスは、ジュネーヴで行われたウクライナ代表団との和平協議について、米国側からはルビオ国務長官、ウィトコフ特使、クシュナー氏、ドリスコル氏が参加したことを明らかにした。ウクライナ側は、会合で安全保障の保証、長期的な経済発展、インフラ保護、航行の自由、政治的主権などの主要懸念が十分に議論されたことを評価し、現在のドラフトには国益を反映した信頼性の高い安全保障メカニズムが盛り込まれているとした。今回の会合が重要なステップであり、今後も永続的・包括的な平和に向けて協議を続けることで双方が合意したという。(詳細はこちら

米国・ウクライナ会合に関する共同声明(11月23日)

ホワイトハウスは、米国とウクライナの代表団が2025年11月23日にジュネーヴで米国の和平提案について協議を行い、双方が「更新され洗練された和平の枠組みを起草した」と発表した。また、協議は非常に生産的だったと評価し、ウクライナの代表団が米国、特にトランプ大統領の戦争終結へのコミットメントに感謝していることも明らかにした。(詳細はこちら

米国のコークス炉加工の安全保障推進のため一部の固定発生源を規制緩和する布告(11月21日)

この布告は、産業やインフラの基盤となる鉄鋼の国内生産を維持し、国家安全保障を確保するために、一部のコークス炉プラントを既存の排出規制から2年間免除することを発表したものである。バイデン政権が課した規制が米国の製鉄能力に大きな制約を与えてきたと指摘している。(詳細はこちら、ファクトシートはこちら

エプスタイン・ファイル公開:下院提出法案4405号が連邦法として成立(11月19日)

下院提出法案4405「Epstein Files Transparency Act」が、大統領の署名により連邦法として成立した。同法は司法省に対し、性犯罪で起訴された後死亡したジェフリー・エプスタイン元被告に関する全ての捜査ファイルを公開するよう命じるものである。被害者の個人情報や進行中の捜査を妨害しうる資料には留保がついているものの、公開対象には共犯者や元被告の旅行記録、捜査の過程で浮上した個々人の情報も含まれる。資料群は検索・ダウンロード可能な形式で公開されるほか、司法省は15日以内に概要や浮上した重要人物のリストを議会に報告する。(詳細はこちら、法案についてはこちら

ファクトシート:トランプ大統領、サウジアラビア王国と経済・防衛パートナーシップを強化(11月18日)

ホワイトハウスは、サルマン皇太子の訪米で示された米国・サウジアラビアの拡大パートナーシップについてのファクトシートを公開した。サウジアラビアは5月時点の合意で示された対米6000億ドル投資を、1兆ドル規模まで引き上げることを発表した。ほか経済・技術面では、民生用原子力、重要鉱物サプライチェーン構築、AI導入における協力や、貿易における障壁の削減等でも合意した。また防衛面では、戦略防衛協定(SDA)を締結し、サウジにおける米防衛産業の活動が強化されるほか、サウジ側の防衛拠出金負担も拡大される。さらにサウジによる米製主力戦車の購入や将来的なF-35の導入を含む包括的な防衛装備品販売パッケージも承認されている。(詳細はこちら

「エプスタイン問題に関する民主党の透明性はどこにあるのか?」(11月17日)

性犯罪で有罪となり、その後死亡したエプスタイン氏に関する記録(いわゆる「エプスタイン・ファイル」)を巡って、トランプ大統領は「下院共和党議員はファイル公開を支持する票を投じるべきだ、なぜなら我々は何も隠すことがないからだ」とした上で、民主党がエプスタイン氏との関わりを隠しており、透明性を欠いていると批判した。(詳細はこちら

米国・スイス・リヒテンシュタイン間の相互貿易協定の枠組みに関する共同声明(11月14日)

米国・スイス・リヒテンシュタインは、相互貿易協定の大枠に合意し、2026年第一四半期での最終合意に向けて交渉を継続していくと発表した。今回発表された合意枠組みは主に、対米投資、関税措置、非関税障壁に対する措置、デジタル貿易におけるデジタルサービス税の課税見送り、経済安全保障分野におけるサプライチェーンの強靭化に向けた協力が含まれている。(詳細はこちら、ファクトシートはこちら

ドナルド・トランプ大統領と李在明大統領の首脳会談に関する共同ファクトシート(11月13日)

ホワイトハウスは10月29日の米韓首脳会談に合わせ、両国の経済・安全保障協力の進展をまとめたファクトシートを公表した。文書は、韓国の大規模対米投資と米国の韓国産品への15%を基準とする相互関税の枠組みなどを含む7月の戦略貿易投資協定を再確認し、今回の合意では韓国の自動車輸入制限撤廃など非関税障壁の見直し、デジタル貿易や労働・環境・知財協力の強化を示した。安全保障分野では、韓国の防衛費増額を踏まえた在韓米軍の「継続的」プレゼンス、戦時作戦統制権移管の加速、造船分野での連携拡大と韓国の原潜建造・ウラン濃縮への米国支持を明記し、日米韓協力や台湾海峡の安定維持へのコミットメントも再確認した。(詳細はこちら

ファクトシート:トランプ大統領、西半球の貿易パートナーとの歴史的合意を発表(11月13日)

ホワイトハウスは、米国が一挙にエルサルバドル、アルゼンチン、エクアドル、グアテマラと貿易協定の枠組みで合意したことについて、均衡のとれた貿易体制の確立と中南米市場へのアクセス拡大の機会として強調した。また一方では、米国内で生産量が乏しい産品や「中米・ドミニカ共和国自由貿易協定(DR‐CAFTA、2006年発効)」で規定される繊維・アパレル製品への優遇によって、中南米諸国の成長やサプライチェーンの強靱化にも資するものとした。(詳細はこちら

米国・エルサルバドルの相互貿易協定に関する共同声明(11月13日)

米国とエルサルバドルは、相互貿易協定に向けた枠組みで合意したことを発表した。エルサルバドルは医薬品・再生品・自動車等を中心とした米国産品に対する規制緩和・輸入制限撤廃など幅広い非関税障壁に対処する一方、米国は米国内で十分に生産されない産品や「中米・ドミニカ共和国自由貿易協定(DR‐CAFTA、2006年発効)」で規定される繊維・アパレル等の特定産品に対し相互関税を撤廃する。(詳細はこちら

米国・エクアドルの相互貿易協定に関する共同声明(11月13日)

米国とエクアドルは、相互貿易協定に向けた枠組みで合意したことを発表した。関税については、エクアドルは工業製品を中心とした米国産品に対する関税撤廃や一部農産品の割当制の導入を行う一方、米国は米国内で十分に生産されない産品に対し相互関税を撤廃する。(詳細はこちら

米国・グアテマラの相互貿易協定に関する共同声明(11月13日)

米国とグアテマラは、相互貿易協定に向けた枠組みで合意したことを発表した。関税に関しては、グアテマラは医薬品・再生品・自動車等を中心とした米国産品に対する規制緩和・輸入制限撤廃など幅広い非関税障壁に対処する一方、米国は米国内で十分に生産されない産品や「中米・ドミニカ共和国自由貿易協定(DR‐CAFTA、2006年発効)」で規定される繊維・アパレル等の特定産品に対し相互関税を撤廃する。(詳細はこちら

米国・アルゼンチンの相互貿易及び投資協定に関する共同声明(11月13日)

米国とアルゼンチンは、相互貿易及び投資協定の枠組みに向けた合意を発表した。関税については、アルゼンチンによる幅広い米国産品に対する特恵市場アクセスの提供、米国による米国内での生産が十分でない天然資源や医薬品用途の非特許製品等に対する相互関税の撤廃が合意された。他にも、アルゼンチンの非関税障壁などの是正、畜産品の市場アクセス拡大などが盛り込まれている。(詳細はこちら

「メラニア・トランプ大統領夫人、『未来を育む』大統領令を公表し、官民パートナーシップの機会を切り開く」(11月13日)

ホワイトハウスは、里子への支援を強化する「アメリカの子どもたちと家族の未来を育むための大統領令」がメラニア・トランプ大統領夫人の主導で実現したことを示し、メラニア夫人の「Be Best」イニシアティブの一環として強調した。また新設された「未来を育む」イニシアティブに対し、奨学金を提供する大学など、民間からの更なる参加を促した。(詳細はこちら、「未来を育む」イニシアティブについてはこちら

政府閉鎖終了:下院提出法案5371号(つなぎ予算案)が連邦法として成立(11月12日)

下院提出法案5371「Continuing Appropriations, Agriculture, Legislative Branch, Military Construction and Veterans Affairs, and Extensions Act, 2026」が、大統領の署名により連邦法として成立した。これは2026年1月30日まで有効なつなぎ予算案で、2025年10月1日より約43日間にわたって続いた政府閉鎖はこれを以て終了した。(詳細はこちら、法案についてはこちら

「新しいデータ:物価は下がり、給与は上昇」(11月10日)

ホワイトハウスは、米企業DoorDashが発表したState of Local Commerceレポートを引用し、トランプ大統領の経済政策がインフレ抑制や賃金上昇などの成果を上げていると強調した。同レポートによると、朝食基本指数(Breakfast Basics Index)や日用品指数(The Everyday Essentials Index)などの物価指数が前年比で下落している。(詳細はこちら

「トランプ政権、外国資本による食肉加工カルテルへの取り締まりを強化」(11月7日)

トランプ大統領は司法省に対し、米国の主要な食肉加工会社が談合や価格操作に関与している可能性を調査するよう指示した。外交資本が関与する巨大企業によって、牛肉価格が人為的に釣り上げられている可能性を精査する。(詳細はこちら

ファクトシート:トランプ大統領、コーネル大学との重大な和解に合意(11月7日)

ホワイトハウスは、トランプ大統領がコーネル大学との間で歴史的な和解に到達したと発表した。和解内容によると、コーネル大学は、今後3年間でトランプ政権に3000万ドルを支払い、さらに農業研究に3000万ドルを投資するほか、能力主義に基づく入学を確保するための関連情報を政権に提供し、反ユダヤ主義の取り締まりを強化する。これに対し、トランプ政権はコーネル大学への全ての助成金を復活させる。トランプ政権は、同大学のDEI(多様性・公平性・包摂性)政策やキャンパス内の反ユダヤ主義を問題視し、助成金の拠出を停止していた。また、政権はこれまでにコロンビア大学やブラウン大学とも同様の和解を締結している。(詳細はこちら

人事通告:NASA長官を指名(11月6日)

ホワイトハウスは、1月の政権交代に伴って辞任した前任のビル・ネルソン氏に代わる正式な指名として、ジャレッド・アイザックマン氏をNASA長官とする人事通告を上院に送付した。これによってNASAは、政治任用職の長官が不在であった状態から脱却する。(詳細はこちら

ファクトシート:トランプ大統領、米国の患者に対し医薬品の最恵国待遇(MFN)価格をもたらす取り組みの進展を発表(11月6日)

ホワイトハウスは、米国の医薬品価格を他先進国の中で最も低い「最恵国待遇(MFN)価格」に合わせるため、主要製薬メーカーとの合意をさらに2件同時に発表した。今回は、インスリンや生活習慣病治療薬の最大手であるイーライリリー及びノボノルディスク社との合意であり、糖尿病や肥満、心臓病の治療にかかる費用の大幅削減や米国内での投資拡大が表明された。(詳細はこちら

「約束は守られた— 大統領選から1年」(11月5日)

ホワイトハウスは、2024年米国大統領選から1年が経過したことを踏まえ、トランプ大統領の公約を振り返った。経済・産業分野ではインフレ抑制の、関税による貿易不均衡の是正、製造業活性化、エネルギー安全保障の推進、イノベーション促進など、安全保障面では軍事的な投資の加速や、「力による平和」に基づく和平の進行などを挙げた。(詳細はこちら

重要インフラの保安・レジリエンス強化月間に向けた大統領メッセージ(11月4日)

ホワイトハウスは、11月を重要インフラの保安・レジリエンス強化月間とし、エネルギーからデジタルまで、あらゆる分野におけるインフラシステム・ネットワークを強化する決意を改めて示した。またこれまでの関連実績として、エネルギー資源の生産促進やサプライチェーン再編、AI分野における投資促進によるインフラ構築、地方自治体におけるインフラ整備支援などを強調した。(詳細はこちら

ファクトシート:トランプ大統領、中国との経済・貿易関係に関する合意を締結(11月1日)

ホワイトハウスは、トランプ大統領が中国の習近平国家主席と経済・貿易関係に関する合意に達したことを受け、その内容をまとめたファクトシートを発表した。公表文書によると、中国は、レアアースを含む重要鉱物の輸出管理措置の停止、フェンタニル製造前駆体の対米流入防止、2025年3月以降に発動した報復関税および関連非関税措置の撤廃、2026年から2028年まで毎年2,500万トンの米国産大豆の購入、さらに中国の半導体企業ネクスペリアの国内施設からの出荷再開の確保などを約束した。一方、米国は、フェンタニル流入対策として課していた対中関税の税率を10ポイント引き下げ、通商法301条に基づく特定関税除外措置の有効期限を2026年11月10日まで延長することを決定した。(詳細はこちら

韓国、メラニア・トランプ大統領夫人の「Fostering the Future Together」プログラムに参加へ(10月30日)

ホワイトハウスは、韓国が米国とのテクノロジー繁栄協定を締結するに際して、メラニア・トランプ大統領夫人主導で9月に発足した「Fostering the Future Together」プログラムに参加したことを公表した。先端技術分野における青少年の育成と保護を両立させることを目的とした同プログラムの趣旨が、AIその他新興技術における米韓協力を推進するテクノロジー繁栄協定の中にも反映されていることの意義を強調した。(詳細はこちら

ファクトシート:トランプ大統領、韓国訪問で数十億ドル規模の契約を締結(10月29日)

ホワイトハウスは、トランプ大統領の韓国訪問において、米国での雇用創出、エネルギー覇権の強化、技術分野での優位性確保、海洋パートナーシップの構築などを目的とした数十億ドル規模の契約が成立したことを発表した。航空分野では、大韓航空によるボーイング新機種103機の購入や韓国空軍とL3Harrisによる開発契約などが盛り込まれている。鉱物・エネルギー分野では、韓国のPOSCO Internationalと米国のReElement Technologiesが米国内にレアアース精製施設を設立するほか、韓国ガス公社が米国LNGの長期購入契約を結ぶ方針が示された。またテクノロジー繁栄協定(TPD)が締結された。さらに海洋パートナーシップ分野では、HD現代重工業やサムスン重工業などによる造船業への投資協力が紹介されている。(詳細はこちら

アメリカ合衆国、日韓と技術繁栄に関する協定に署名(10月29日)

ホワイトハウスは、トランプ大統領のアジア訪問の一環として、米国が日本および韓国とテクノロジー繁栄協定(Technology Prosperity Deals, TPD)に署名したことを紹介した。今回のTPDは、2025年9月に米国が英国と締結したTPDを基盤としており、規制や標準の調整、研究開発の加速、国家安全保障の強化を通じて、科学技術分野での協力を拡大することを目的としている。(詳細はこちら

テクノロジー繁栄に関する米韓協力覚書(10月29日)

この政府間覚書は、AI、高度通信技術、量子技術、宇宙探査を含む戦略的科学技術分野における米韓協力の枠組みを定める「テクノロジー繁栄に関する協定」の合意内容を示したものである。AI分野では、両国の専門機関による革新的な共同研究・開発やAIスタックの輸出促進、業界標準の構築と安全なAIエコシステムの推進における協力などを掲げている。医薬・生化学分野では主にサプライチェーン全体の強靱化を、情報通信分野では6G技術の共同開発や標準化を志向して協力し、量子技術分野については関係機関間のパートナーシップやサプライチェーン確保によるエコシステム構築を目指す。宇宙開発分野では将来的なアルテミス計画への参画、関係技術開発における協力が示された。(詳細はこちら

ファクトシート:トランプ大統領、日本からの何十億ドル規模の投資を推し進める(10月28日)

ホワイトハウスは、訪日したトランプ大統領が発表した、日本の対米5500億ドル投資にあたる投資案件や経済・安全保障上の協力事項を公表した。AIやエネルギー向けインフラ、電子部品供給、鉱物生産、物流インフラなどで日本企業が投資を行うほか、米国産自動車に対する非関税障壁の撤廃が目指され、造船分野でも協力覚書が締結された。経済安全保障面ではサプライチェーン強化やG7で連携した「影の船団」制裁の強化、また米国からの天然資源の調達が行われる。さらに安全保障面ではF35向け新型ミサイルの導入や情報共有といった具体的な策を通じてインド太平洋の抑止力向上が掲げられたほか、クラウド技術を活用した機密保持・サイバーセキュリティ強化を目指して政府機関間の作業部会を立ち上げる。(詳細はこちら

日米間の技術繁栄ディールについての協力に関する覚書(10月28日)

この日米政府間覚書は、先端科学技術分野における協力が、両国の発展のみならずインド太平洋の安定に資するものとして、その実効的な協力枠組みを定める「テクノロジー繁栄に関する協定」の合意内容を示したものである。AI分野では、両国の専門機関による革新的な共同研究・開発や基盤インフラ強化、AIスタックの輸出やセキュリティ確保における協力、業界標準の構築と安全なAIエコシステムの推進、人材育成などが掲げられている。情報通信分野では、オール光及び量子ネットワーク領域での協力を通じてBeyond 5G(6G)技術の共同開発を可能にする。医薬・生化学分野では主にサプライチェーン全体の強靱化が志向されている。量子技術分野については関係研究機関の協働による技術評価・開発や人材育成、核融合分野ではJT-60SAといった先進施設の活用を含む研究開発協力を通じて融合炉の商用開発・導入を目指すほか、両分野での安全かつ世界をリードするエコシステム構築を進める。宇宙開発分野では民間のニーズも汲んだ上で、国際宇宙ステーション・アルテミス計画・宇宙の商用利用・デブリ除去といった分野での協力を深化させる。(詳細はこちら

合意の実施 ~日米同盟の新たな黄金時代に向けて~(10月27日)

このトランプ大統領・高市首相による共同声明は、7月の日米合意、関連の大統領令、9月の投資に関する覚書といった日米の「グレート・ディール」に基づくこれまでの両国の努力を評価し、日米同盟をさらに強化するべくさらなる措置の構築を各機関に命じるもの。(詳細はこちら

採掘及び加工を通じた重要鉱物及びレアアースの供給確保のための日米枠組み(10月27日)

トランプ大統領と高市首相は、重要鉱物とレアアースの安定供給を目的に、日米間で新たな政策枠組みを設立することで合意し、文書に署名した。公表された合意文書では、重要鉱物・レアアースの安定調達に向けて金融支援や貿易措置、備蓄制度などを活用して日米の協力を加速させ、サプライチェーンの多様化を推進すること、選定されたプロジェクトへの財政支援措置を6ヶ月以内に実施する等政府と民間による支援を強化すること、許認可の迅速化に向けて規制緩和を進めること、さらに相互補完的な備蓄枠組みを検討することなどが盛り込まれている。また両国は、日米重要鉱物供給安全保障迅速対応グループ(U.S.-Japan Critical Minerals Supply Security Rapid Response Group)の設立も発表した。(詳細はこちら

ファクトシート:トランプ大統領、マレーシアにて地域の平和と繁栄を確保(10月6日)

ホワイトハウスは、トランプ大統領がクアラルンプールでASEAN各国と進展させた取り組みの成果を一覧にして公開した。特にタイ・カンボジア両国との和平追及の取り組みを挙げ、加えて両国それぞれと国際犯罪等グローバルな脅威への対抗で歩調を合わせることを示した。またマレーシアやベトナムも含め各国との貿易協定や交渉枠組みが前進したことを報告し、東南アジア地域市場へのアクセス拡大や経済安全保障上の連携強化を強調した。(詳細はこちら

米国・ベトナムの相互的で公正な、均衡のとれた貿易協定枠組みに関する共同声明(10月26日)

米国とベトナムは、相互貿易協定に関する交渉枠組みに合意したことを公表した。具体的な枠組みの条件として、ベトナム側はほぼ全ての米国工業製品・農産品に対して特恵市場アクセスを提供する一方、米国側は相互関税を20%に維持しつつ、特定品目では0%に調整する可能性を示した。さらに、自動車や医薬品分野を中心としたベトナム市場の非関税障壁の是正、今後のデジタル貿易における取り決めの推進、労働環境・知的財産権・輸出管理での協力も盛り込まれている。また、農産品・航空宇宙・エネルギー製品の商業取引推進も示唆され、特にベトナムが米国製航空機50機(総額80億ドル超相当)、および農産物29億ドル相当を購入する方針が示された。今後、両国は協定署名に向けた最終調整を進める見通しである。(詳細はこちら

グローバルな重要鉱物サプライチェーンの多様化および投資促進に関するアメリカ合衆国政府とマレーシア政府との間の了解覚書(10月26日)

米国とマレーシアは、重要鉱物のサプライチェーンに関する了解覚書を交わした。具体的な協力分野としては、国際的ベストプラクティスや技術知見を含む情報共有、マレーシアで市場に放出される重要鉱物に対し米国からの投資が優先されるようにする配慮、政府間・民間・大学レベルでの連携協力活動、規制手続きの簡素化や安全保障上の審査といった制度的協力、また重要鉱物を不公正な貿易慣行から保護するための高基準市場の構築などが挙げられた。ただし、本覚書は法的拘束力は持たない。(詳細はこちら

米国・マレーシアの相互貿易協定及び共同声明(10月26日)

米国とマレーシアは、相互貿易協定に合意したことを公表した。具体的な枠組みの条件として、マレーシア側は米国産品に対して大幅な特恵アクセスを提供し、ハラール認証の簡素化といった非関税障壁撤廃の取り組みを行う一方、米国側は「相互関税」を19%とした(特定産品は0%)。またその他のマレーシア側の義務要件として、林業や漁業・知的財産権侵害・強制労働への取り締まり強化、デジタル・情報通信分野での障壁撤廃、対米重要鉱物等輸出の非制限措置がある。また両国間では今後、航空機や電子通信部品、エネルギー関連の大規模な商業取引が成立する見通しであることも示された。(共同声明はこちら、協定文全文はこちら

米国・カンボジアの相互貿易協定及び共同声明(10月26日)

米国とカンボジアは、相互貿易協定に合意したことを発表した。関税に関しては、カンボジアが米国の工業製品および農産品の全品目に対する関税を撤廃し、米国は19%の相互関税を維持(ただし一部の品目は0%)する。さらに、カンボジアの非関税障壁の是正、米農産品の市場アクセス拡大、労働・環境・知的財産権・デジタル貿易分野での協力、経済・安全保障分野の連携なども盛り込まれている。また、両国の企業間での商業取引も示唆されており、エアカンボジアとボーイングの連携も明記された。(共同声明はこちら、協定文全文はこちら

米国・タイの相互貿易協定に関する共同声明(10月26日)

米国とタイ王国は、相互貿易協定の枠組みについて合意したことを発表した。関税に関しては、タイが米国の工業製品および農産品を含む99%の品目の関税を撤廃し、米国は19%の相互関税を維持(ただし一部の品目は0%)する。さらに、自動車や医薬品分野におけるタイの非関税障壁の是正、米国のFSIS認定肉製品の迅速な市場アクセス確保、労働環境・知的財産権・デジタル分野での協力、経済・安全保障分野での連携なども盛り込まれている。また農産品やエネルギー製品、航空分野での取引推進も約束され、特にタイが米国製航空機80機(総額188億ドル)を購入する方針が示された。(共同声明はこちら

グローバルな重要鉱物サプライチェーンの多様化および投資促進に関するアメリカ合衆国政府とタイ王国政府との間の了解覚書(10月26日)

米国とタイの間で交わされたこの了解覚書は、重要鉱物のサプライチェーンを強化し、両国間の投資および貿易を促進することを目的としている。協力分野としては、国際的なベストプラクティスや技術知見の共有、両国企業による優先的な投資機会の確保、政府間および民間・学術レベルでの連携、規制手続きの簡素化など制度面での協力、入札やプロジェクトに関する情報共有などが含まれている。(共同声明はこちら

カンボジア王国首相とタイ王国首相による共同声明(10月26日)

2025年10月26日、タイとカンボジアは、米国とマレーシアの立ち会いのもと、マレーシア・クアラルンプールにおいて両国間の国境紛争に関する共同声明に署名した。共同声明では、同年7月28日に表明された両国間の平和と安全保障に関するコミットメントを再確認し、緊張緩和のための重火器の撤去や偽情報・敵対的言説の拡散防止、信頼醸成措置、地雷除去、さらにタイによる捕虜の解放や両国による国境管理の強化などが盛り込まれている。(共同声明はこちら

2025年ワールドシリーズに向けた大統領メッセージ(10月25日)

ホワイトハウスは、2025年ワールドシリーズの開催を祝う大統領メッセージを公開した。またメッセージでは南北戦争や恐慌、9.11といった苦難のときにあっても米国民を支えてきた野球の偉大さが強調されたほか、ドジャースとブルージェイズを特に称賛しつつシーズンの盛り上がりを祈った。(共同声明はこちら

米国の鉱物資源安全保障確保のため、特定の固定発生源に対し規制緩和を行う布告(10月24日)

この布告は、国内において限定的な能力しかない銅精錬産業に制約が課されることを安全保障上の懸念とし、銅の一次精錬関連の固定発生源に対する排出規制を緩和するものである。具体的には、2024年に発効した環境保護庁(EPA)の関連規則について、実質的に遵守期限を2年間延長する。なおトランプ政権において銅は、2月の大統領令で安全保障上の重要資源と定義付けられている。また本布告は7月17日の一連の規制緩和に続くものである。(布告はこちら、ファクトシートはこちら

「航空会社とパイロット、民主党が原因の政府閉鎖が空の旅を危険にさらす中で行動を求める」(10月24日)

ホワイトハウスは、大手航空会社やパイロット協会などが航空輸送の現状を懸念し、政府の再開を求める声を取り上げた上で民主党に責任を求めた。航空会社や各協会は、安全な航空輸送システムにおいて連邦職員が果たす役割を強調し、賃金の未払いやプレッシャーの増大といった影響を低減するよう求めている。(詳細はこちら

「民主党の政府閉鎖が低くとどまっているインフレの深刻化を脅かす」(10月24日)

ホワイトハウスは、9月分の消費者物価指数が発表されたことを受け、物価の安定と賃金向上、インフレ抑制が続いていることを強調した。一方で政府閉鎖の影響により十分な調査ができないとして、10月分消費者物価指数は発表できない可能性が高いとして警告した。(詳細はこちら

「民主党による政府閉鎖はアメリカの空を危険にさらしている」(10月24日)

ホワイトハウスは、政府閉鎖が交通運輸に及ぼす影響について、ショーン・ダフィー運輸長官が議会で陳述したことを公表した。その中で、特に航空管制分野における給料の未払いや運行スケジュールが乱れる恐れを強調し、現状を批判した。(詳細はこちら

ファクトシート:オーストラリアと数十億ドル規模の契約を締結(10月20日)

ホワイトハウスは、米国とオーストラリア間でエネルギー、防衛、経済・技術分野の連携を強化していく方針を示した。直近で署名された鉱物資源・レアアースに関する連携枠組みでは、米輸出入銀行が22億ドルを超える資金供与を検討している。防衛分野では、オーストラリアによる米国からの軍事用品購入や、米豪英3カ国間の安全保障枠組みAUKUSの強化が盛り込まれている。さらに経済・技術分野では、NASAとオーストラリア宇宙庁との協力強化に触れられている。(詳細はこちら

重要鉱物及びレアアースの採掘・加工におけるサプライチェーンを確保するための米豪枠組み(10月20日)

ホワイトハウスは、商業・防衛産業に不可欠な重要鉱物やレアアースの安定供給を目的として、米国とオーストラリア間の協力枠組みに署名した。公表された合意文書には、今後6ヶ月以内に両国の採掘・加工プロジェクトにそれぞれ少なくとも10億ドル以上を投資すること、鉱物の開発・加工に関する手続きの簡素化や規制緩和、安定的な価格を実現する制度の導入、鉱物やレアアースの売却をめぐる国際安全保障審査の強化などが盛り込まれており、必要に応じて第三国との協力も想定されている。(詳細はこちら

2025年 全米エネルギー優位月間に関する布告(10月17日)

この布告は、2025年10月を「国家エネルギー優位月間」と宣言し、米国が豊富に有する石油や天然ガス、鉱物資源などを活用して、エネルギー大国としての地位を取り戻す決意を改めて示すものである。バイデン前政権が化石燃料産業を抑制し、エネルギー価格の高騰とエネルギー安全保障の低下を招いたと批判したうえで、トランプ政権がエネルギー関連の規制を緩和する大統領令に署名するなど、国内のエネルギー生産を活性化させていることを強調した。(詳細はこちら

2025年 全米サイバーセキュリティ啓発月間に関する布告(10月17日)

この布告は、2025年10月を「全米サイバーセキュリティ啓発月間」と宣言し、米国のサイバー防衛を強化して国民を守る決意を改めて示すものである。近年、海外勢力による米国の市民や企業へのサイバー攻撃が拡大している現状を踏まえ、大統領が就任直後にサイバーセキュリティ強化のための大統領令に署名したことや、メラニア夫人が若者をオンライン上の性的搾取から守る「TAKE IT DOWN法」の制定を主導したことにも言及している。(詳細はこちら

米国への中・大型車両及び同部品並びにバスの輸入調整に関する布告(10月17日)

この布告は、中・大型車両およびその部品(エンジンやタイヤなど)に25%、バスに10%の追加関税を課すよう命じるものである。また、国内生産を促進する措置として、2025年から2030年までに米国内で組み立てられたトラックの総価値3.75%相当額を、関税の一部を相殺するために控除可能とする制度を導入し、この制度をエンジン部品にも適用するとした。さらに、自動車を対象とする同様の相殺制度を2030年まで延長することも定められた。(布告はこちら、ファクトシートはこちら

「トランプのエネルギー政策がガソリン価格を4年ぶりの低水準へ押し下げる」(10月17日)

ホワイトハウスは、トランプ大統領のエネルギー生産促進策により、全米のガソリン価格が約4年ぶりの低水準に近づいており、今後一部地域では1ガロンあたり2ドルを下回る可能性があるというGasBuddy社の予測を紹介した。(詳細はこちら

ファクトシート:トランプ大統領、体外受精(IVF)及びハイレベルな不妊治療へのアクセス拡大・コスト減を目指す措置を発表(10月16日)

ホワイトハウスは、米国の医薬品価格を他先進国の中で最も低い「最恵国待遇(MFN)価格」に合わせるため、主要製薬メーカーとの3件目の合意を発表した。今回は、世界有数の不妊治療薬メーカーであるEMDセローノ(メルクセローノ)社との合意であり、不妊治療にかかる費用を大幅に削減することになる。(詳細はこちら

戦争省予算による軍人への給与確保:国家安全保障大統領覚書(NSPM-8)(10月15日)

この国家安全保障大統領覚書(NSPM-8)は、戦争省長官及び行政管理予算局長に対し、戦争省の予算を転用して軍人への給与支払いを命じるものである。政府閉鎖による歳出停止が続き、給与日である10月15日に軍人への給与が発給できないことの回避が目的とされている。(詳細はこちら

「トランプ大統領はアメリカの製造業ブームを引っ張り続ける」(10月15日)

ホワイトハウスは、先週発表された大規模な米国内投資案件をいくつか紹介し、製造業の振興を強調した。紹介された案件は自動車や機械の生産拠点拡大や人材開発投資に関するものなど。(詳細はこちら

研究活動一覧
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