トランプ政権トラッカー:大統領令の概要と解説 No.7(2025年2月26日-3月3日)

この論考でわかること
  • 大統領令の一覧と概要
  • 布告・覚書・公式発表の一覧と概要
  • トランプ大統領の演説および優先政策
  • エキスパートの視点
Index 目次

大統領令一覧

中国からの合成オピオイド供給網に対処するための関税措置について、税率を引き上げる大統領令(3月3日)

この大統領令は、2月1日発令の「中国からの合成オピオイド供給網に対処するために関税を課税する大統領令」で規定されていた10%の関税を、20%まで引き上げるものである。中国政府が依然として適切な措置を講じていないことを理由としている。(大統領令はこちら

南部国境を通じた違法薬物流入に対処するための関税措置について、改正を行う大統領令(3月2日)

この大統領令は、2月1日に発令された「南部国境の状況に対処するために関税を課税する大統領令」を一部修正するものである。元の大統領令では、メキシコから輸入される全ての製品に対する関税について「de minimis制度」による関税免除が適用されないと明記されていたが、本大統領令ではde minimis制度の適用を一時的に認めつつ、商務長官の判断により適用が停止される可能性があるとしている。(大統領令はこちら、ファクトシートはこちら

北部国境を通じた違法薬物流入に対処するための関税措置について、改正を行う大統領令(3月2日)

この大統領令は、2月1日に発令された「北部国境を超える違法薬物の流入に対処するために関税を課税する大統領令」を一部修正するものである。元の大統領令では、カナダから輸入される全ての製品に対する関税について「de minimis制度」による関税免除が適用されないと明記されていたが、本大統領令ではde minimis制度の適用を一時的に認めつつ、商務長官の判断により適用が停止される可能性があるとしている。(大統領令はこちら、ファクトシートはこちら

木材・製材の輸入がもたらす国家安全保障上の脅威に対処するための大統領令(3月1日)

木材・製材産業は建設業や軍事面において重要であるにもかかわらず、米国は木材資源を輸入に依存し脆弱性にさらされているとして、木材・製材関連の輸入が国家安全保障に及ぼす影響を調査し、関税を含む対応策を提案するよう商務長官へ指示している。(大統領令はこちら、ファクトシートはこちら

アメリカの木材生産を即時に拡大させる大統領令(3月1日)

この大統領令は、国内に豊富な木材資源があるにもかかわらず、政府の規制がその活用を妨げ、輸入依存を招いていることが、経済安全保障、雇用、環境、災害対策に悪影響を及ぼしているとし、規制緩和を通じた木材生産の迅速な拡大を命じている。(大統領令はこちら、ファクトシートはこちら

英語をアメリカ合衆国の公用語に指定する大統領令(3月1日)

この大統領令は、アメリカ市民全体の統一感と一体感を育み、政府の機能を効率化させるために、英語を正式にアメリカ合衆国の唯一の公用語と定めている。(大統領令はこちら、ファクトシートはこちら

「政府効率化省」(DOGE)下のコスト効率化イニシアティブを実行段階に移す大統領令(2月26日)

この大統領令は、政府支出の透明性と説明責任の確保を掲げ、あらゆる政府支出の改革を行うとするもの。具体的には、各機関内で全ての支出を記録・精査するシステムの構築、既存のあらゆる契約や助成金等の見直し、契約・助成金・出張その他までにおけるDOGEによる監視などを規定している。また各機関の職員が保持する業務用クレジットカードの凍結(30日間)、政府所有不動産の整理なども指示されている。(大統領令はこちら、ファクトシートはこちら

布告・覚書・公式発表一覧

メラニア夫人が円卓会議を主催:オンライン上の児童保護と「Take It Down 法」について(3月3日)

3月3日、メラニア・トランプ大統領夫人は共和党議員や性的画像拡散の被害者団体、関連分野の団体と共に会議を行った。議論では安全なオンライン空間やソーシャルメディアにおけるAIの影響などが取り上げられ、リベンジポルノやAIで生成された性的画像を迅速に削除できる「Take It Down」法の可決に向けた働きかけが行われた。(覚書はこちら

TSMCによる対米1000億ドル追加投資を発表(3月3日)

3月3日、トランプ大統領とTSMCのシーシー・ウェイCEOは、TSMCがアリゾナ州の半導体製造に1,000億ドルを追加投資し、投資総額が1,650億ドルになると共同発表した。これにより、製造施設は5カ所に拡大され、多くの雇用創出が見込まれている。(発表はこちら、会見全文はこちら

「トランプ大統領とヴァンス副大統領はアメリカ国民のために立ち上がっている」(2月28日)

2月28日、ホワイトハウスはウクライナのゼレンスキー大統領との首脳会談を振り返り、「トランプ大統領とヴァンス副大統領はアメリカ国民の利益とアメリカの国際的な立場を常に守り、アメリカ国民が搾取されることがないようにする」と強調した。(発表はこちら

研究活動一覧
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