地経学コネクティビティ指数 — ユーザーガイド

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地経学的コネクティビティ指数は、貿易活動および国際貿易関係への構造的な取り込み度を通じて、各国がどの程度経済的に結びつき、世界市場に統合されているかを測定する指標である。
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地経学コネクティビティ指数とは何か

地経学的コネクティビティ指数は、貿易活動および国際貿易関係への構造的な取り込み度を通じて、各国がどの程度経済的に結びつき、世界市場に統合されているかを測定する指標である。

本指数は単一の指標に依拠するのではなく、貿易連結性の政策面および成果面の双方を捉える4つの構成要素を統合している。
・適用最恵国待遇(MFN)関税
・貿易開放度
・有効なFTAおよびPTAの数
・関税動向

これらの指標を統合することで、各国の貿易体制がどの程度解放され、制度的に結びついていて、実効的にアクセス可能か全体像を把握することができる。

貿易依存度のような伝統的な指標は、例として輸出または輸入がGDPに占める割合など、貿易フローの規模に着目し、主に貿易へのエクスポージャーを捉えるものである。これに対して、地経学コネクティビティ指数は、貿易関係がどのようにして構造化されているかを捉えるものであり、関税、制度的協定、貿易の強度を組み込むことで、市場へのアクセスがどのように組織化され、仲介されているかを反映している。

 

 

本指数の活用方法

貿易連結性指数は貿易開放度、制度的な貿易統合、市場アクセスのより広範な構造の変化に関心を持つ公共部門または民間部門の利用者を想定して設計されている。

貿易連結性は単に量の問題ではない。それはまた、市場アクセスがどのように構造化されているか、多国間ルールのもとで貿易体制がどの程度解放されているか、そして、自由貿易協定などの制度的取り決めを通じて市場アクセスがどの程度仲介されているかを反映するものである。

地経学コネクティビティ指数は、これらの側面において各国を一貫した形で比較できるように設計されており、各国がグローバルな貿易ネットワークにどのように組み込まれているかに関して、より明確な全体像を示すとともに、近年の貿易政策の方向性の変化を捉えるものである。

本指数の使い方

本指数は、いくつかの方法で利用することができる。

・利用者は、貿易連結性に関する共通の枠組みに基づいて各国を比較することができる。易統合の成果を捉える。この指数は、輸出入合計をGDPで割った値の対数として測定され、これは高水準の貿易開放度における限界効用の逓減を考慮しつつ、各国が世界貿易へどの程度参加しているかを反映している。
・本指数は、基礎的な関税面での解放性、実際の貿易統合、FTAおよびPTAを通じた制度化された市場アクセスなど、連結性を構成する異なる要素を区別するうえで役立つ。
・本指数は、関税動向を限定的な補正として組み込むことで、指数の構造的特徴を損なうことなく、近年の貿易政策の方向性の変化を反映させることができる。

地図およびサブ指数は、解釈のための複数の入り口を提供することを目的としている。利用者はまず総合指数から確認し、その後、個別の構成要素を精査することで、何が各国の位置づけを左右しているのかを、より深く理解することができる。

基本概念:地経学的不可欠性

この指数の背後にある中心的な解釈概念が、地経学的不可欠性である。これは、ある国の市場へのアクセスが、どれほどコストがかかるか、政策的に仲介されているか、制度的に条件づけられているかに基づいており、そのアクセスが構造的にどれほど、価値があり、ほかで代替されにくいかの度合いを指す。

この観点で見ると、接続性が高い国は単に解放的であるだけではない。場合によっては、その国への市場アクセスが、協定や制度、あるいは選択的な政策構造によってますます仲介されるようになり、その結果としてアクセスの価値が高まり、代替が困難になる(あるいはグローバルな経済関係における極めて重要な結節点になる)可能性もある。

したがって、本指数は単に貿易の結びつきの強さを視覚化するだけでなく、長期的な貿易の組み込まれ方の違いや、どのような条件下で市場アクセスが戦略的に重要性を増すのかを明らかにするのにも役立つのだ。

基本概念:戦略的選択性

この指数には、戦略的選択性を測る補完的な指標も含まれている。

地経学コネクティビティ指数は、世界貿易における各国の総合的な構造的組み込まれ度を捉えるものだが、この指数単体では、市場アクセスにおけるセクターごとの違いまでは反映されない。しかし、現実には、経済的または地政学的に戦略的とみなされるセクターにおいて、貿易政策は選択的に運用されることがよくある。

この側面を捉えるため、本分析では、あらかじめ定義された戦略的セクター内における最高税率や国内平均からの関税の乖離度に基づいた追加指標を導入している。これらの指標は、たとえ国全体の貿易連結性が高く維持されている場合であっても、その国が特定のセクターにどれだけ集中して貿易制限措置を行っているかを浮き彫りにする。

したがって、戦略的選択性は、地経学コネクティビティ指数そのものの核心的な柱というよりも、結果を解釈するための視点として捉えるべきものである。

対象となる戦略的セクター

戦略的選択性のセクションでは以下の5つの広範なセクターグループに焦点を当てている。

・先端デジタル技術
・重要鉱物資源
・エネルギー・気候技術
・医療・バイオ技術
・先端産業製造

これらのセクターが戦略的として扱われるのは、バリューチェーンにおけるシステム上の重要性、短期的な代替可能性の低さ、高い参入障壁、供給の集中、そして強力な技術的波及効果といった特徴を共有しているためである。

結果の解釈

最終的な指数の変動は、主に長期的な貿易の組み込みの違いを反映したものとして解釈されるべきである。近年の関税の自由化や引き締めは方向性の変化をもたらすが、それはあくまで限定的な補正とて導入されているに過ぎない。

この理由から、総合指数はサブ指数と合わせて読むのが最も効果的である。各構成要素のスコアを確認することで、その国の位置づけがベースとなる貿易の開放度、実際のグローバルな貿易フローへの統合度、定を通じた制度的な連結性、近年の関税政策の変化のどれによって主にもたらされているのかが明確になる。

また、戦略的選択性の指標を合わせて見ることで、その国が戦略的セクターを国内平均以上のレベルで保護しているのか、あるいは平均以下のレベルにとどめているのかという、もう一つの視点を得ることができる。

手法と詳細

本指数の理論的基盤や作成手法に関心のある利用者に向けて、詳細な資料を公開している。これらは、以下のPDFファイル、または別ページから確認することが可能である。これらの資料では、各サブ指数の構築プロセス、変数の標準化、各構成要素の解釈方法、および戦略的選択性の指標に用いられた算出手法について詳しく解説している。

ポール・ネドー 客員研究員
テンプル大学ジャパンキャンパス客員助教授、Tokyo Review共同創業者・編集者、米国CSIS(戦略国際問題研究所)客員研究員。米国上院議員外交・貿易スタッフなどを経て現職。ジョージワシントン大学学士、タフツ大学フレッチャースクール修士、東京大学公共政策大学院博士。専門は、政治的党派性や国際貿易政策に関する国内政治と国際政治の交差。BBCニュース、ニューヨークタイムズ、日経アジアンレビュー、ジャパンタイムズなどへの寄稿も行っている。
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レティシア・スエラ リサーチ・アシスタント
地経学研究所経済安全保障グループリサーチ・アシスタント、アジア開発銀行研究所(ADBI)キャパシティ・ビルディング・アソシエイト(Capacity Building Associate)。 研究分野は、国際貿易ガバナンス、地経学、開発協力、地域統合。これまで、貿易コンプライアンスおよび制裁に関する助言業務、国際会議の運営、ならびにカナダ・イタリア商工会議所における機関間・二国間関係に関する実務経験を有する。研究および出版物では、貿易管理を通じた再生可能エネルギー・原子力技術の武器化、後発開発途上国(LDC)からの卒業に伴う課題、気候・エネルギー分野におけるEUとアジア太平洋地域の協力などを取り上げてきた。 アムステルダム大学で政治経済学の修士号を取得。修士論文では、アジア太平洋地域の後発開発途上国(LDC)が、EUの一般特恵関税制度「Everything But Arms(EBA)」の対象外になることの影響を分析した。また、ヴェネツィア・カ・フォスカリ大学で哲学・国際関係・経済学の学士号を取得し、学部課程の一部をパリ政治学院およびモントリオール大学で履修した。
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石川 雄介 研究員/デジタル・コミュニケーション・オフィサー
専門はハンガリーを中心とした中・東欧比較政治、民主主義の後退、偽情報、反汚職対策。明治大学政治経済学部卒業、英国・サセックス大学大学院修士課程修了(汚職とガバナンス専攻)、ハンガリー・中央ヨーロッパ大学大学院政治学研究科修士課程修了、明治大学政治経済学研究科博士後期課程在籍。 主な著作に『偽情報と民主主義:連動する危機と罠』(共著、地経学研究所、2024年)、『EU百科事典』(分担執筆、丸善出版、2024年)、Routledge Handbook of Anti-Corruption Research and Practice(分担執筆、Routledge、2025年)、主な論文に "How Opposition Strategies Interact under Electoral Autocracy: Evidence from Hungary’s TISZA Party"(Politics in Central Europe、2026年)などがある。 TIハンガリー支部でのリサーチインターンなどを経て、アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)に参画。API/地経学研究所でのインターン、リサーチ・アシスタント、欧米グループ研究員補(リサーチ・アソシエイト)やEUROPEUMでの訪問研究員を経た後、現職。APIでは、福島10年検証、CPTPP、検証安倍政権プロジェクトに携わった。シンクタンクのデジタルアウトリーチ推進担当として、財団ウェブサイトや SNSの活用にかかる企画立案・運営に関わる業務も担当。 【兼職】 埼玉学園大学経済経営学部非常勤講師(秋学期担当、欧米経済事情、2単位) Visiting Research Fellow, EUROPEUM Institute for European Policy External contributor, Anti-Corruption Helpdesk, Transparency International Secretariat (TI-S)
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研究活動一覧
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研究者プロフィール
ポール・ネドー

客員研究員

テンプル大学ジャパンキャンパス客員助教授、Tokyo Review共同創業者・編集者、米国CSIS(戦略国際問題研究所)客員研究員。米国上院議員外交・貿易スタッフなどを経て現職。ジョージワシントン大学学士、タフツ大学フレッチャースクール修士、東京大学公共政策大学院博士。専門は、政治的党派性や国際貿易政策に関する国内政治と国際政治の交差。BBCニュース、ニューヨークタイムズ、日経アジアンレビュー、ジャパンタイムズなどへの寄稿も行っている。

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レティシア・スエラ

リサーチ・アシスタント

地経学研究所経済安全保障グループリサーチ・アシスタント、アジア開発銀行研究所(ADBI)キャパシティ・ビルディング・アソシエイト(Capacity Building Associate)。 研究分野は、国際貿易ガバナンス、地経学、開発協力、地域統合。これまで、貿易コンプライアンスおよび制裁に関する助言業務、国際会議の運営、ならびにカナダ・イタリア商工会議所における機関間・二国間関係に関する実務経験を有する。研究および出版物では、貿易管理を通じた再生可能エネルギー・原子力技術の武器化、後発開発途上国(LDC)からの卒業に伴う課題、気候・エネルギー分野におけるEUとアジア太平洋地域の協力などを取り上げてきた。 アムステルダム大学で政治経済学の修士号を取得。修士論文では、アジア太平洋地域の後発開発途上国(LDC)が、EUの一般特恵関税制度「Everything But Arms(EBA)」の対象外になることの影響を分析した。また、ヴェネツィア・カ・フォスカリ大学で哲学・国際関係・経済学の学士号を取得し、学部課程の一部をパリ政治学院およびモントリオール大学で履修した。

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石川 雄介

研究員,
デジタル・コミュニケーション・オフィサー

専門はハンガリーを中心とした中・東欧比較政治、民主主義の後退、偽情報、反汚職対策。明治大学政治経済学部卒業、英国・サセックス大学大学院修士課程修了(汚職とガバナンス専攻)、ハンガリー・中央ヨーロッパ大学大学院政治学研究科修士課程修了、明治大学政治経済学研究科博士後期課程在籍。 主な著作に『偽情報と民主主義:連動する危機と罠』(共著、地経学研究所、2024年)、『EU百科事典』(分担執筆、丸善出版、2024年)、Routledge Handbook of Anti-Corruption Research and Practice(分担執筆、Routledge、2025年)、主な論文に "How Opposition Strategies Interact under Electoral Autocracy: Evidence from Hungary’s TISZA Party"(Politics in Central Europe、2026年)などがある。 TIハンガリー支部でのリサーチインターンなどを経て、アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)に参画。API/地経学研究所でのインターン、リサーチ・アシスタント、欧米グループ研究員補(リサーチ・アソシエイト)やEUROPEUMでの訪問研究員を経た後、現職。APIでは、福島10年検証、CPTPP、検証安倍政権プロジェクトに携わった。シンクタンクのデジタルアウトリーチ推進担当として、財団ウェブサイトや SNSの活用にかかる企画立案・運営に関わる業務も担当。 【兼職】 埼玉学園大学経済経営学部非常勤講師(秋学期担当、欧米経済事情、2単位) Visiting Research Fellow, EUROPEUM Institute for European Policy External contributor, Anti-Corruption Helpdesk, Transparency International Secretariat (TI-S)

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